「今日も生涯の一日なり」 福沢諭吉の言葉 その日その日を精一杯生きる

 「今日も生涯の一日なり」。啓蒙思想家で、慶應義塾大学を創設した福沢諭吉の言葉で、その日その日を精一杯生きるという意味です。人生の在り方を改めて問い直すものとなっています。

 著者の大学教授・久恒啓一さんが著書「書くだけで人生が好転する妄想ノート」の中で、「好きな言葉」として書いているのを読んで、この言葉を知りました。

 久恒さんは、「残された命の長さは誰にもわらない。今日まで生きてきたけれど、明日はどうなるか知れません。人間は毎日断崖絶壁を歩いているようなもの。だからその日その日を精一杯生きよう。悔いのないようやりたいことをやろう、というわけです」と書いています。

 久恒さんは自身のブログのタイトルに、この福沢諭吉の言葉を使っているそうです。

 その日その日を精一杯生きる--。

 禅の言葉を探すと、これと同じ意味を持つ言葉があります。禅の研究家・境野勝悟さんは、著書「心がスーッと晴れる一日禅語」の中で、唐の雲門和尚の言葉である「日日是好日(ひびこれこうにち)を挙げています。「毎日が安らかでよい日である」という意味で「先のことを心配するより、かけがえのない今日一日を、精一杯生きよ」という意味だとしています。

あわせて読みたい
日日是好日 この禅語の読み方や意味は? 座右の銘にしよう

スポンサードリンク

心がスーッと晴れる一日禅語 (知的生きかた文庫)

新品価格
¥628から
(2020/2/26 15:17時点)

 また、禅寺の住職や庭園デザイナーを務める枡野俊明さんは著書「禅シンプル生活のすすめ」で、「生死事大(しょうしじだい)」について書いています。「人生には運不運がつきものですが、一日一日を大事に生きる。それを続けての人生、という言葉です」と解説しています。

 「自分が興味を持ったものを、毎日毎日、少しずつでもいいから勉強していく。この小さな蓄積が、定年と同時に花開くことにつながるのだろう」

 大学教授の渡部昇一さんは、著書「知的余生の方法」でこう書いています。

 私は定年を迎え、上記の原則には合わないかもしれませんが、まだまだ、遅いことはありません。本や新聞をじっくり読んで、生涯のテーマを改めて見つけ出したいと思います。禅、江戸研究、偉人の生き方、国際情勢など興味のあるテーマはたくさんあります。

 「ひとつテーマを決めて、それについて書かれた新聞の切り抜きを10年間続けると、それだけでも1冊の本が書けるようになると言われています」(久恒さん)

 「今日も生涯の一日なり」の言葉をしっかりかみしめて、一日を大切に過ごしたいと思います。

Audible (オーディブル) – 本を聴くAmazonのサービス

スポンサードリンク

新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

新品価格
¥1,177から
(2020/2/26 15:19時点)

関連記事広告