ウォルター・スコット 書斎に蔵書を備える 蔵書は創作の源泉 【偉人のスタイル】

 英国スコットランドの詩人・作家、ウォルター・スコットは、書斎に膨大な量の蔵書を備えていました。スコットは、小説の「アイバンフォー」や「ナポレオン伝」、抒情詩の「湖上の美人」などを書き、当時のベストセラー作家となりましたが、蔵書が、書くための源泉になっていたことがわかります。

 スコットは、シェルサーク州にあるツイード河畔に邸宅を構え、ここに蔵書を集めました。子供の頃に興味を持って買った昔話や古謡をはじめ、小説や詩、歴史書などが、2階の天井までの壁に設置された書斎の書棚にあふれました。1冊1冊、時間と費用をかけて、収集したものです。

 これらの蔵書を読み、スコットは小説や詩のテーマを考えたのでしょう。中世に題材をとった歴史小説を書くことが多かったスコットにとって、膨大な量の蔵書は、歴史を考証するのにも大いに役立ちました。法律事務所で働きながら、長編小説だけで27冊も書いたスコットの創作力が理解できます。

 書斎に蔵書を備え、書庫を作る。学びたい習慣です。

 現代に目を転じると、作家、佐藤優さんの蔵書の多さが印象に残っています。著書「読書の技法」には、自宅、自宅近くの仕事場、箱根の仕事場にある蔵書約4万冊が書架に収まった写真が出ています。

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 400字詰め原稿用紙で、月1000枚を超える執筆が続き、「書きたいことがたくさんある」という佐藤さんの創作力も、スコット同様、蔵書に源泉があります。

 私も1冊1冊、自分にとって価値のある本を集めてきました。スコットや佐藤さんほどの量には達していませんが、いつも繰り返して読みたい本はたくさんあります。

 本の重要箇所や面白いと思った部分は、愛用の手帳に抜き書きし、その本は大切に書棚に並べてあります。まずは、抜き書きを読み返しますが、本の部分に戻って読みたくなる時も多くあります。その時は、本を手にして、抜き書きの部分やその周辺を読みます。そのたびに発見があり、さらに、自分のアイディアを付け加えています。

 どんな本と出合えるか。大型書店や古本屋で本を探す楽しみが増しています。

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