ジョージ・ワシントン米国初代大統領 ノートはどう書くべきか? 契約書などを書き写し、実務能力を磨く【偉人のスタイル】

 ノートはどう書くべきか。ノートの活用術に関心を持っているため、ノートについての情報から目を離せません。書物の重要箇所を抜き書きし、感想やコメント、分析を書き加え、実際の本がなくても、本の内容がわかるまで高めたソ連の政治家レーニンのノートについては、先に書いた通りです。アメリカの初代大統領になったジョージ・ワシントン(1732-1799年)のノートも面白く、役に立ちます。

 著書「向上心」(サミュエル・スマイルズ著、竹内均訳)によると、ワシントンは「わずか13歳の時、領収書から約束手形、為替手形、契約書、債券、賃貸契約書、土地の権利書まで、味もそっけもない書類を自分からすすんで丹念に書き写した」といいます。

 スマイルズは、「幼い時からこうして身に付けた習慣が後年、厄介な政治問題を手際よく処理してみせた驚くべき実務能力の母体となったのである」と分析しています。

 契約書などをそっくり書き写す。あまりないことです。ワシントンは一字一字、書くことで、契約書などがどういうものかを学んだのでしょう。契約書はどんな形式で、どう構成すべきか、適当な文言は何か、法律をどう契約書に適用するか、実際に手書きすることで、契約書の内容がわかったはずです。

 そして、書く中 で、思考を深め、実務能力を増していったのだと思います。

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 一読なら時間はかかりませんが、書き写すということには、ただ単に読む以上の効果があります。重要部分や、面白い箇所をノートに書いていく抜き書きも同じでしょう。

 「実務の能力を発揮して偉大な業績を遺した人は、男であれ女であれ名誉に値する」

 「偉大な天才は例外なく、みなどんなに骨の折れる仕事でもいとわずに働いた」

 スマイルズはこう、書いています。レーニンやワシントンにならい、ノートを十分に活用したいものです。

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