日日是好日の読み方や意味は? この禅語を座右の銘にしよう

 禅語は、人生をいかに生きるかを考えるうえで、大きな指針になります。日日是好日という禅語もその一つです。この禅語の読み方や意味はどうなるのでしょうか。禅寺住職の方々の著書から、この禅語を学んでいきます。

日日是好日の読み方は?

 日日是好日は、禅語としては、「にちにちこれこうじつ」、あるいは、「にちにちこれこうにち」と読むのが一般的です。

 ただ、日々是好日とも書かれるように、

 「ひびこれこうじつ」
 「ひびこれこうにち」
 「ひびこれよきひ」

 と読まれることもあります。

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日日是好日の意味は?

 日日是好日は、中国・唐時代の雲門文偃禅師の言葉です。まずは、3人の方の解釈です。

 「良い一日と悪い一日。それを決めるのは、自分の思いこみ。平常心をたもって、毎日かけがえのない一日を生きる」(枡野俊明さん)

 建功寺(神奈川県)住職の枡野俊明さんは、著書「おだやかに、シンプルに生きる」の中で、まず、「人生というのは素晴らしく、毎日が好日である。生きているだけで楽しい。人生は素晴らしい一日だと。そんな解釈をする人もいますが、じつはこの禅語はそんな短絡的な意味ではありません」と説明しています。

 そのうえで、この禅語は、1年の中には晴れの日と雨の日があり、どちらがよい悪いということではなく、それぞれのよい所に目を向けることが大切であることを説いているとしています。人生もこれと一緒だとしています。「雨の日にこそ、明日の晴れを信じて前を向く」ことを勧めています。

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 「真摯に努力を続けた結果が『今日』になる」(平井正修さん)

 全生庵(東京都)住職の平井正修さんも著書「男の禅語」の中で、この禅語は「いい日」「うまくいった日」ということではなく、「一瞬一瞬を積み重ねてきたその日」であると説明しています。「たとえ目の前にある現実が悲しい日、苦しい日でも、あるいは楽しい日、喜ばしい日でも、すべてが『日日是好日』なのです」としています。

 平井さんは修行に入って3年が過ぎた頃に父を亡くし、住職の跡を継ぎましたが、そのまま住職になるか、修行をするか悩んだそうです。結局、修行は10年に及びましたが、その苦しい、つらい修行があったからこそ、今の自分のあるといいます。「あの10年はすべてが『好日』だったのでしょう」と書いているように、言葉に説得力があります。

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 「今日一日を精一杯生きる」(境野勝悟さん)

 境野勝悟さんは著書「心がスーッと晴れる一日禅語」で、まず、「生きている。すばらしい。生きている。それだけで、いい。生きている。あとは、何にもいらない。そう思ったとたん、今日が明るくなる」と書いています。

 そのうえで、「こうでありたい」と明日に重点を置きすぎると、プレッシャーがかかって、毎日が気が気ではなくなるので、「先のことは、気にかけない。いくら願望したところで、先のことは思うようにいかない。先のことを心配するより、かけがえのない今日一日を精一杯生きるよう」に説いています。

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日日是好日を座右の銘に

 3人の方々の解釈は力強い言葉で語られ、説得力があって、読んでいるだけで、元気づけられます。座右の銘にもなります。

 1日1日を大切に生きる。改めて、そんな生き方をしていかなくては、と思えてきます。無為に過ごした日々については反省し、以後は、自戒して過ごすことが必要でしょう。すでに、このブログでも書いていますが、この禅語は、「今日も生涯の一日なり」という福沢諭吉(慶應義塾大学を創設した啓蒙思想家)の言葉と同じです。

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まとめ 勤勉の大切さ

 日々を精一杯生きるうえで、まずは、勤勉を心がけたいものです。

 「天才とは忍耐なり」と言って、フランスの植物学者ビュフォンは毎日朝9時から午後2時まで、そして、午後5時から午後9時まで、机に向かい、学問に励みました。

 本多静六・林学博士も一生、「毎日の行」として、読む価値のある文章を原稿用紙1枚に書き続けました。「天才とは何ぞや、勤勉是也(きんべんこれなり)」。本多博士は、ゲーテの天才論の中のこの一文を読み、「ゲーテも俺と同じこうとを言うておるわい」と書いています。

 「自分が興味を持ったものを、毎日毎日、少しずつでもいいから勉強していく。この小さな蓄積が、定年と同時に花開くことにつながるのだろう」

 大学教授の渡部昇一さん(故人)は、著書「知的余生の方法」でこう書いています。小さくとも、こんな努力を毎日、積み重ねたいものです。

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