「『読書』を極める!」。表紙に踊った特集のタイトルを見て、雑誌「週間ダイヤモンド」の最新号(10月17日)を購入しました。当代一流の本の読み手が、独自の読書術を語っています。そんな中で、学んだのは、多分野の本を多く読むという姿勢でした。

特集は、成毛真さんの大型書店での書棚巡りから始まります。日本マイクロソフト社社長を経てコンサルティング会社を経営する成毛さんが東京・丸の内の「丸善丸の内本店」を訪れます。

「時間に余裕のある時は、3階まで行き、そこから興味と重力に従って、フロアを下りながら新刊という名の獲物を物色する」のだそうです。

3階では、芸術書、演芸、宗教、白水社の本、サイエンス、医学のコーナーを相次いで巡り、1時間15分にわたって、様々な本を見定めます。2階には文芸書 コーナーがあり、ノンフィクションに興味があるものの、時間がないため、ビジネス書を中心とした新刊売り場の1階に下ります。

最後に チェックするのは、出入り口に最も近い新刊書・話題の書の棚だそうで、ここで、「本日、面白そうだなと思って買った本がここにどれだけ並んでいるかを確か める」答え合わせをするのだといいます。「ボクの興味と、この街、そしてこの書店との相性を測るのである」と成毛さんは語っています。

成毛さんの書評サイト「HONZ」が人気な理由がわかります。多くの分野で、先端の書を探して、読む。その大切さです。成毛さんの博識は、読書に裏付けられています。

私もよく、丸善丸の内本店に行きますが、昨日は、3階から「重力に従って」、本を探してみました。日頃は、政治や経済、国際、社会問題やビジネス書、小説 などの本を買うことが多いですが、改めて、芸術書、演芸、宗教、サイエンス、医学様々な分野の書棚を巡ると、読みたくなる本が多いことがわかります。

書棚巡りの醍醐味です。

成毛さんが推奨する「人生に役立つ都々逸本」(柳谷紫文著)、「コーランには本当は何が書かれていたか?」(カーラ・パワー著)、「フィラデルフィア染色体」(ジェシカ・ワプナー著)、「ネオ・チャイナ」(エヴァン・オズノス著)を買いました。

ダイヤモンドの特集では、作家の佐藤優さん、早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問の野口悠紀雄さん、ライフネット生命保険会長兼CEOの出口治明さんらが、さまざまな分野の本をすすめています。これらの本も、一冊一冊、読んでいこうと思います。

多くの分野の本を読む。そんな大切さを感じていると、インドに駐在した時の本棚を思い出しました。歴代の駐在員が残していった本が本棚にありました。自分だったら、おそらく買わないであろう本も多く並んでいました。

医学や心理学、造園、天文、料理などの分野でした。当時は、日本語の本はなかなか買えませんでしたから、読む本がなくなることがありました。そんな時に、ちょっと仕方なく、自分にとっては異分野の本を読みましたが、とても面白く感じられました。

いろいろな本を手にして、読んでみる。今回の特集を読んで、その思いを一層、強くしました。