情報カードの活用で、読書の質を高める 本の重要部分のページをコピーしてカードに貼る 繰り返し読む

  本の重要な部分や面白い箇所を手帳やノートに抜き書きしていますが、最近は、この抜き書きに加えて、良質な本については、重要な部分などのあるページを コピーして、B6サイズの情報カードに貼ることにしています。このカードを手で繰りながら読むと、アイディアもわいてきます。読書の質を高めることができ ます。

人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力

これは、私の愛読書の一つである「生き方」(稲盛和夫著)の中にある一 節で、「考え方」を変えれば人生は180度変わる、の章で書かれています。人生や仕事の成果は、これら3つの要素の「足し算」ではなく、「掛け算」によっ て決まること、特に、最初の考え方がもっとも大事であることを稲盛さんは書いています。

考え方には、他の2つの要素と違って、0点までだけでなく、マイナスポイントがあるため、それだけ、ネガティブな結果を招いてしまうということを稲盛さんは強調しています。考え方の重要性が一目で理解できます。

抜き書きは最重要個所に絞って書くため、当然、この数式の部分が中心になりますが、それだけでなく、その周辺も合わせて読みたくなります。能力とは才能や 知能といった先天的なもの、熱意は後天的な要素、そして、考え方にマイナスポイントがあること、などに関して、です。読むと考えも深まります。

B6サイズの情報カードを利用すると、単行本なら、1ページ分が縦に収まります。縮小すれば、2ページ分を横1枚に収めることもできます。文庫本も2ページ分が横1枚の情報カードに貼り付けることができます(少し縮小してもいいですが)。

情報カードの左上部には、キーワードを書き入れます。今回なら、「考え方は人生を変える」「考え方の重要性」となるでしょうか。情報カードは収納ボックス に入れて、次々に読んでいきます。キーワードだけでも、本文を読んでもいいと思います。手で繰るということが大切です。

そうすると、様々なカードを読む中で、いろいろな思いが浮かんできます。その中で、アイディアが生まれてくることがあります。そうしたら、そのアイディアを別のカードに書いて、収納ボックスに入れておきます。

民俗学者の梅棹忠夫さんが著書「知的生産の技術」で書いていたカードの使用法に、コピーも取り入れたものです。思った以上に効果が高く、驚いています。いい内容のカードはコピーして、子供たちにプレゼントすることにしています。

カードから離れ、再び、本を読み返すことも多くあります。そんな本との「対話」を繰り返していると、本がまるで自分の血肉になってくることを実感します。