新しい元号の決め方は? 平成の次の元号候補は? 選定基準は何が重視されるか!

 2019年1月5日更新

 1989年1月、当時の小渕官房長官が、新しい元号について、「平成」と書かれたボードを掲げたテレビ映像は多くの方が覚えているでしょう。

 生前退位を希望する天皇陛下の意向を受けて、天皇陛下が2019年4月30日に退位する日程が決まりました。2019年5月1日には皇太子さまが新天皇に即位し、新しい元号に切り替わります。

 安倍晋三首相は2019年1月4日、新しい元号が改元1か月前の2019年4月1日に公表されることを発表しましたが、新しい元号はどのように決められるのでしょうか。その手順や、重視される基準、さらには、候補が現在あるのかなどを探ってみました。

 ◇元号とは

 日本で最初に制定された元号は、「大化」(645年~650年)です。政治改革の「大化の改新」が行われたことでよく知られています。なじみのある元号です。

 それ以後、主に、新天皇が即位した際に新たな元号に変更されてきましたが、大地震や津波、大火、干ばつなどの自然災害をはじめ、疫病や、戦乱、新将軍就任などの際にも、改元されてきました。

 改元によって、新たな時代を築きたいとの願いが込められたものでした。明暦、宝暦、明和、文化、文政など大火が多かった江戸時代には、37の元号が使用されました。

 しかし、明治政府が成立してからは、一人の天皇に一つの元号という「一世一元」の原則が打ち立てられました。

 ◇平成は

 「平成」の元号は、現在の天皇陛下の即位とともに、1989年に定められましたが、「大化」から数えると、255番目の元号になります。従って、次の元号は、256番目になります。

 「平成」の31年は、「昭和」の64年、「明治」の45年、さらには、室町時代の「応永」の35年に次いで、歴史上、4番目に長い期間、使用された元号になっています。逆に、一番短かったのは、686年の「朱鳥」の約2か月でした。

 「平成」は、中国「史記」の「内平外成」、「書経」の「地平天成」が出典で、「内外、天地とも平和が達成される」という意味になっています。

 「平成」への改元の時は、ほかに、「修文」「正化」も候補になったといいます。

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 ◇元号の決め方は?

 では、具体的に、どのような手順で、新しい元号は決まるのでしょうか。

 元号法(1979年制定、1984年一部改正)をもとに、新しい元号が決定されます。こんな手順です。

1.内閣総理大臣が、自ら選んだ有識者数人に、新元号の候補案の作成を依頼。
2.有識者が候補案を官房長官、内閣総理大臣に提出。
3.閣議で協議。
4.国民の代表となる衆参両院議長に意見を聞く。
5.閣議で正式決定。

 ◇重視される選定基準

 元号は、日本という国家のひとつの時代を画するだけに、とても大切なものです。それだけに、重視される基準があります。こんな基準です。

・明確な理想を込めた意味を持つ。
・書きやすく、読みやすい。
・漢字二文字である。
・過去に使用されてない。
・イニシャルがだぶらない。明治のM、大正のT、昭和のSは避ける。

 有識者、閣僚、衆参両院議長、そして、内閣総理大臣ら、新しい元号決定に携わる人々は、これらの基準をもとに、新しい元号を検討することになります。

◇いつから公布

 新しい元号は、2019年4月1日に公表されます。即位日に公表されたのでは、カレンダーなどの印刷業者や、元号を使用するシステムを改修する期間がありません。政府は、改元に伴う混乱を最小限に抑える方針を示しました。

 ◇候補

 新元号について、早くも、ネットなどで関心が高まっています。ただ、有識者が検討したものではなく、ネットなどでの新元号が現実の元号になる可能性は高くありません。

 ◇まとめ

 新元号は、国の掲げる理想を体現したものになります。平和が続きますように、災害にも強くなりますように、さらに、幸福や繁栄、家族安全などを祈ったものになります。時代に合う新元号になるといいでしょう。

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