ノートの使い方 「頭の良さはノートで決まる 超速脳内整理術」(斎藤孝著)からアイディアを得る

 ノートをどう使いこなすか――。こんな悩みを抱えている人々もいるでしょう。そんな中、ビジネスパーソンをはじめ、学生、主婦、シニアなど多くの人々に、その「アイディア」を与えてくれるのが、「頭の良さはノートで決まる 超速脳内整理術」(斎藤孝著)です。

 なかでも、私が面白いと思ったのは、仕事のスキルを上げる段取りノートと、思考を深めるためのアイディアノートのふたつです。

段取りノート

 「ノートを書くと出世したくなくても出世してしまう?」。

 著者の斎藤孝・明大教授は、段取りノートについて、こう書いています。まさに、体系だって記録していく段取りノートの凄さを示す言葉となっています。

 斎藤教授はそのうえで、ビジネスパーソンが仕事を覚えて、その能力を高めるため、段取りノートに書いていくことをすすめています。

 指示されたこと、教えられたことはもちろん、仕事の段取りをノートに写しとることだといいます。仕事を構造化して、その流れを理解するためです。引き継ぎであれば、マニュアルをきちんとした文章で書き、前任者からの気づきや注意点などを書き留めていくといいそうです。

 「マニュアルづくりにも、三色ボールペン方式が使える。絶対にはずしていけないことは赤で書く。一応、段取りとしてやらなければいけないことを青で書く。そして、自分の問題意識や工夫、コツについては、緑で書く。このマニュアルをつくりながら、仕事に臨むのである。ほとんどの人は何もしていないから、すぐに差がついてしまう」

 齋藤教授はこう指摘しています。

 仕事の基本をマニュアルで把握した後、疑問に思ったことや、改善したほうがいいと思ったことなどを付記して、自分なりに仕事の完成度を高めていくということでしょう。

 営業、総務、経理、エンジニアなど仕事は違っても、自分の仕事を中心に据えて、戦略を練ることになります。その仕事の第一人者を目指す、あるいは、なることができます。「仕事は段取りと問題意識の集積」と斎藤教授が言う通りです。マニュアル+問題意識の詰まったノートは大きな威力を発揮するでしょう。

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アイディアノート

 段取りノートは、ビジネスパーソンが主な対象になりますが、アイディアノートは誰もが活用できるノートです。「アイディアがどんどん出てくるノートのとり方」として、斎藤教授は説明しています。

 「タイトルをつければ、アイディアを書きこみたくなる」

 「企画・構想は、それ自体が仕事でない人にとっても必要なことだ。アイディアを練る、企画を考えるというときには、なんとなく頭の中で考えるのではなく、紙に書き出すのがいい。脳みそを紙の上に出す、という感覚である」

 斎藤教授はこう書いたうえで、その手順として、以下のように説明しています。

 ・ノートの一番上にまずタイトルを書く。
 ・タイトルは自由でいい。
 「長く座っていても疲れないイスとは?」のような疑問形でも、
 「ノート術本のタイトル」のような考えるべきテーマでも、
 「AはBである」のような命題でもいい。
 ・ページの下の部分は真っ白でもいい。
 ・そういったマイテーマを常時20持つ。
 ・それぞれのテーマに関するアイディアやヒントが浮かんだら、そのテーマのページに書き加える。
 ・自分の企画を援護射撃してくれるものとして一番いいのは本。
 ・本からヒントを得る習慣をつけると、利益を生み出す頭になり、自然と年収は上がる。

 ノートがアイディアを生み出すうえで、大きな力になることがわかります。毎日、生活する中で気づくことはたくさんあるでしょう。

 前もって、テーマをノートに書いておけば、そのテーマに関することが次々に集まってきます。そして、さらに考えます。アイディアは、「発酵」し、深まっていきます。

 1ページに1項目のテーマを書き、余白を残しておくと、もっと、この思想の発酵速度が深まると思います。いいアイディアも生まれるでしょう。

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アイディアノートは、京大式カードやレーニンのノートにも共通

 齋藤教授のアイディアノートは、民俗学者の梅棹忠夫さんが提唱した「京大式カード」にも通じます。京大式カードは、本の抜き書きや自らのアイディアを次々に1枚のカードに書き留めていきます。そして、1つのテーマに沿って、同類のカードを集め、さらに考えるというものです。「脳みそを紙に出す」と斎藤教授が言う通りです。

 ソ連の政治家レーニンのノートも同様でしょう。レーニンは、本を読んだら、重要部分をノートに抜き書き、どんどん自分の考えを書き込んでいきました。1冊のノートがあれば、自分の思考、アイディアがさらに深まっていきました。

 斎藤教授のアイディアノートの効果が高いことがわかります。

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抜き書きポイント

 抜き書きしたい部分はたくさんありますが、一部を紹介しておきましょう。

 ・「紙にポイントを書いて考える」。これが、この本の基本だ。
 ・ノートが頭をよくし、心を強くする。
 ・ノートは社会に出てから役に立つ。
 ・「攻撃的な」意識でもってノートを取る。
 ・ノートの厚みは自信につながる。
 ・本をノート化する。
 ・人間関係をよくしたいなら図をつくる。
 ・ノートをとれば、雑用も楽しくなる。
 ・ストレスの原因をリスト化する。
 ・心配事はノートに書く。

まとめ

 「頭の良さはノートで決まる 超速脳内整理術」は、ノートのあり方を考えるうえで、大いに役立ちます。斎藤教授の書くノートのとり方と、自分のノートのとり方がどう違うか、比較しながら読むといいと思います。ノートの使い方が格段と向上するでしょう。

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