シンプルに生きる方法とは? 断捨離や仕事、人間関係で役立つ禅語を「おだやかに、シンプルに生きる」(枡野俊明著)で学ぶ

 禅寺住職・禅の庭園デザイナーの枡野俊明さんの著書をいつも愛読していますが、本「おだやかに、シンプルに生きる」(PHP文庫)もまた楽しく読みました。シンプルに生きる方法とはどうなるでしょうか。断捨離や仕事、人間関係で役立つ禅語を「おだやかに、シンプルに生きる」(枡野俊明著)で学ぶことができます。

シンプルに生きる方法とは? 断捨離や仕事、人間関係で役立つ禅語を「おだやかに、シンプルに生きる」(枡野俊明著)で学ぶ

 「おだやかに、シンプルに生きる」では、枡野さんが、喜怒哀楽の感情に惑わされることなく、心おだやかに生きるための禅語51語を選び、エピソードをまじえて解説しています。

 ひとつ、ひとつ、含蓄に富んだ禅語をかみしめ、繰り返し読むことができます。

 「いつもおだやかな心を保ち、心安らかに生きていたい。誰もがそう願っているものです。私たち禅僧にしても、おだやかな心を保つために日々の修行に励んでいるとも言えるのです」

 「ところが常におだやかな心を保つことは、それほど簡単なことではありません。なぜなら私たち人間には、喜怒哀楽という感情があるからです。喜んだり悲しんだり、時に怒ったりする。それこそが人間に与えられた特権でもあります。しかし、これらの感情に心が支配されることで、私たちはおだやかな心を見失うことになるのです」

 「喜怒哀楽を出してはいけない。そう言っているのではありません。無理をしてその感情を押し殺すこともないのです。ただし、それらの感情をむやみに外に向けて吐き出さないことです。一度、吐き出した感情は元には戻りません。感情をぶつけられた相手にしてみれば、それが原因でおだやかな心をかき乱されることになるでしょう。むやみに感情をぶつけ合うことは、双方にとって幸せなことではないのです」

 枡野さんは、まえがきで、こう書いています。心おだやかに生きることは簡単なことではありませんが、枡野さんの言葉を読むと、自分の感情をうまくコントロールして、日々を過ごしたいと思えてきます。

 枡野さんは、私たちの心を乱すものとして、世の中に氾濫してる多くの情報をあげています。

 「現代社会は明らかに情報過多の時代です。さまざまな情報が洪水のように襲ってきます。そしてそのほとんどは自分にとっては無意味なもの。その無意味な情報に振り回されることで、私たちの心が乱されるのです」

 そんな環境の中で、心のおだやかさを取り戻すための明解な答えはない、と枡野さんは書いていますが、「そのヒントとなるものは禅の教えのなかに見つけることができます」としています。

 本は、

「シンプルに生きるための方法」
「人づきあいの心得」
「仕事との向き合い方」
「自分を高める智慧」

 の4章で構成され、51の禅語が紹介されています。

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 「春来草自生(はるきたらばくさおのずからしょうず)=物事は自ずからやって来る

 「非思量(ひしりょう)」=頭で考えてばかりいるからイライラが募るのです

 「無功徳(むくどく)」=結果が出ないからと落ち込む。それは結果を期待するからです

 「八風吹不動(はっぷうふけどもどうぜず)」=湧き出してくる感情に振り回されないようにしましょう

 「喫茶喫飯(きっさきっぱん)」=いま自分がやっていること。そのものになりきることが大事です

 「冷暖自知(れいだんじち)」=何事も自ら経験しなければわからない

 「形直影端(かたちなおければかげただし)」=姿勢を正せば、自ずと生活も整います

 「独坐大雄峰(どくざだいゆうほう)」=いまここに生きていることが有難いこと

 「日々是好日(にちにちこれこうにち)」=毎日をかけがいのない日となるよう生きる

 「一期一会(いちごいちえ)」=この一時に生きる

 いい言葉ばかりです。ひとつひとつの禅語は、深く考えさせられますが、それらについての枡野さんの解釈も読みごたえがあります。

まとめ

 私は本や新聞で、面白いと思った個所や重要な部分をノートや手帳に抜き書きし、それらについて自分で考えることにしていますが、これからは、枡野さんの選んだ51語の禅語も毎日、ノートや手帳に書き写していきたいと思います。写経にも通じるでしょう。禅語とその意味だけでなく、枡野さんの解説も書き写し、考えていくつもりです。同じ禅語を何度も書き写すこともあるでしょう。毎日行っている坐禅とともに、重要な日課になりそうです。

 禅語で自らを律する。そんな生活にしていこうと思います。
 
 「みなさんが心おだやかに生きていくためには、幸せを感じながら人生を歩んでいくために、そっと寄り添ってくれる言葉を見つけてください。たった一つの言葉が、あなたを救ってくれることがあります。あなたに生きる勇気を与えてくれることもある。私はそう信じています」(枡野さんのあとがきから) 

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