第157回芥川賞は、沼田真佑さんの「影裏(えいり)」に決まりました。沼田さんにとっては、デビュー作で受賞という快挙です。沼田さんのプロフィールを調べてみました(トップの写真は、受賞を報じた7月15日の読売新聞の紙面です)。
◇沼田真佑(ぬまた・しんすけ)さん
1978年、北海道小樽市生まれの38歳
父親の仕事の関係で転勤が多かったといい、小学生の時は、神奈川県横浜市や千葉県で、中学生の時からは、福岡市博多区にそれぞれ住みました。
◇学歴
福岡市早良区にある西南学院大学を卒業しました。小説家では、東山彰良さんや葉室麟さんらも同大学の卒業生です。
◇卒業後は塾講師
卒業後は、福岡市で塾講師を務めていました。2012年、両親の住む盛岡市に引っ越しましたが、ここでも熟講師として働いています。そして、小説の舞台となる岩手、そして、東日本大震災(2011年)の被害に苦しむ被災地の様子を目にすることになりました。
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◇デビュー作で受賞
小説を書き始めたのは、大学生時代の20歳ころからです。まず、詩に興味を持ち、小説に移りました。「影裏」はデビュー作で、今年5月に文学界新人賞を受賞しました。さらに、今回、芥川賞を受賞しました。
◇受賞作「影裏」は?
受賞作は、岩手の医薬品子会社に異動した30歳代の男性が主人公です。社会の中で孤立して過ごしますが、釣りをきっかけに同僚と親しくなります。そんな交流が続くかに見えた時、同僚が東日本大震災の津波に飲まれます。その後、その同僚の秘密が――。主人公の心の葛藤が、被災地の現状や豊かな岩手の自然とともに描かれています。
◇贈呈式
芥川賞の贈呈式は8月下旬、東京都内で行われます。正賞の時計と副賞の賞金100万円が贈られます。
小説はまだ、1作ですが、今後、どんな小説が生まれるのか、今から楽しみです。
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