執着(しゅうじゃく)しない 少欲知足、無分別で生きる 「ためない練習」(名取芳彦著)から

  心を乱すことになるから、執着(しゅうじゃく)しない。欲を少なくして、足ることを知る(少欲知足)。分別は迷いの根源となるので、無分別に徹する。

 密蔵院(東京・江戸川区)住職・名取芳彦さんの著書「ためない練習」(三笠書房)を読むと、本には、人生を生きるうえでの仏教の知恵が凝縮されているのがわかります。仏教の知恵を学び、名取さんも言うように、そのいくつかを実践練習していきたいものです。

 「口に出して言わなくてもいいですから、『塵を払う、垢を除く』と心でつぶやきながら掃除をしてみてください。知らないうちに、心の掃除までできます」

 本を読んで実践したいことはたくさんありますが、まずは、掃除を見直したいものです。

 本によると、お釈迦さまの弟子がいて、物覚えが悪く、兄からは「坊主になるのは無理」と言われるほどでしたが、お釈迦さまから、「塵を払う、垢を除くといいながら掃除をしてごらん」と箒を手渡されました。

 この弟子は毎日、「塵を払う、垢を除く」と言いながら掃除しましたが、そのうちに「お釈迦さまが教えてくれた言葉は、私の心の塵と垢のことだ」と気づきました。お釈迦さまは「自分の心の塵と垢に気づく人こそ、本当の知恵者だ」と弟子をほめたたえたといいます。

 心を磨くための掃除の大切さがわかります。

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 また、名取さんは、飽食の時代の中で、たまにシンプルなお粥を食べることを勧めています。修行時代、朝食はもっぱら、お粥だったそうですが、昼頃、ちょうど空腹になって、美味しくお昼ご飯を食べることができたといいます。

 血色がよくなる
 肌につやが出る
 体力を保つ
 寿命を延ばす
 胃に優しいので、体が楽になる

 など、お粥には10の効用があることを名取さんは書いています。

 持っている物すべての中から、ランダムに10個減らすことも名取さんは提案しています。毎日でも、毎月でもいいでしょう。生活の「贅肉」をそぎ落とすヒントの一つです。

 心の掃除、お粥、捨てる、の3つのほかにも、仏教の知恵を学び、実践したいことはたくさんあります。

 人生は「身軽」が一番いい 何も持たないほうが気が楽
 「ためない暮らし」が自由な人生を作る
 やるべきことは「淡々と」片づける
 自分を嫌うな
 心を磨いておく
 心が疲れたときは「期待」を減らしてみる
 「まだ起こっていないこと」に心を注がない
 競争心はやがて「毒」になる
 無分別は、小賢しい知恵で損得や正誤を判断するのを放棄する態度
 生き生きとしている人に、ついて行ってみよう
 「自分にしかないもの」を、必ずあなたは持っている
 少しずつ「足るを知る」練習をしていく 「手ぶらで生きる」仏教の知恵
 もっとも幸せに近いのは「ごく平凡な人」 平常心の中にこそ、本当の幸せがある
 何よりの素晴らしい持ち物は、「現状でいい」と満足する知足の心
 過去を思わず、未来を憂えず、「今」を生きる
 優しさを仏教で言えば慈悲
 「心の中の財産」は一生なくならない
 幸せそうな人には共通点がある いつも明るい先を見る癖がある
 自分のご都合(欲)から離れてみる
 心配しなくても、自ずと道は見えてくる
 
 読めば読むほど、仏教のいい教えがあります。

 1項目は、2ページ見開きで解説されており、辞書や辞典のように、好きなページを開いて、読み込んでいくことができます。「『最近、心も身体も軽快になった』と感じていただければ、筆者としてこんなに嬉しいことはありません」と、名取さんは書いています。

 仏教を学ぶ意欲が一層、増していく本になっています。

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