読書の効果を上げる方法 読書の達人に共通する読み方は?

 読書の効果を上げる方法はあるのだろうか、と考えると、一つ大切にしたいことがあります。読まなくていい本は読まない。読むべき個所は徹底的に絞る――ということです。読書の達人の声に耳を傾けると、そんな共通法則が浮き彫りになってきます。

 「役人から政治家になった岸信介は『あらゆる文書は最後から読んだ』といわれています。まず、最後の結論を読んでから、最初の部分を読み、全体を流し読みしてどこを読むかを決めるのです」

 経済学者の野口悠紀雄さんは、週刊誌「ダイヤモンド」の特集「『読書』を極める!」(2015年10月7日)の中で、こう語っています。読書の真髄に迫るものでしょう。

 特集によると、野口さんは米国留学時代、大量の専門書を短期間で読むことを強いられた経験から、読むに値する本か、読むべき個所はどこかを出来るだけ早く判定することが大切としています。

 作家の佐藤優さんも、読まない方がいい本のリストを作ることを勧めています。「悪貨は良貨を駆逐する」のグレシャムの法則の通り、「嫌韓」などのヘイト本や日本礼賛本など「読めば読むほど頭が悪くなる」本は避けるよう強調しています。

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 「本は最後まで読む必要はありません。・・・世の中の『読書家』と呼ばれる人で、読み通すことにこだわっている人はあまりいません。熱効率の良い読書のこつは、まず、目次を見て、誰かに話したくなるような内容を見つけることです。『始めに』と『終わりに』を先に読んで、当たりを付けるのも良いでしょう」。

  明治大学の斎藤孝教授も同じ考えで、こう書いています。

 小説などはじっくり、最初から味わって読むべきでしょう。主人公の性格はどうなのか、小説の舞台はど んな土地柄なのか、ストーリーはどう展開するのか。楽しみが増してきます。

 しかし、専門書やビジネス書などは、読むべき個所をいち早く見つけ出して、効率的に読むべきだということでしょう。

 前書き、あと書きをまず、読んでから、目次に目を通す。そして、本文の最優先個所を見つけて読むことが最適となります。多分野の本を出来るだけ多く読むという原点に立ち返ること、そして、いい本は何度も繰り返して読むことが重要になってきます。

 読書の技を極めるのは簡単ではありませんが、日々、読書を続けることで、ぜひ、そのコツをつかみたいものです。

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