オーストリアは、漢字でどう表記するか?

 オーストリアは、中欧に位置する永世中立国です。その首都ウィーンは、中・東欧諸国への玄関口であり、「音楽の都」としても人気の都市です。そんなオーストリアは、漢字でどう表記するのでしょうか。調べてみました。

オーストリアの漢字表記は?

 オーストリアの漢字表記は、墺です。

 土偏に、奥のように見えますが、米の上に、ノが付いているのに注意が必要です。

  • アメリカは、米
  • イギリスは、英
  • フランスは、仏
  • イタリアは、伊
  • ロシアは、露
  • インドは、印

 などと表記されますが、墺もそれらと同じです。オーストリアの発音の音から、それに近い文字で表記したあて字です。

主要な漢字表記は3つ

 墺を使った表記で主要なものは以下の3つです。

  • 墺、あるいは、墺国
  • 墺地利
  • 墺太利

 1番目の墺、墺国は、アメリカの米、米国、イギリスの英、英国と同じです。2番目、3番目はいずれも、オーストリアの発音に近い漢字があてられています。

3つの他にも多くの漢字表記

 使用頻度が高いのは上記の3つですが、ほかにも、多くの表記があります。墺土利、墺多利、墺太利亜、墺土地利、墺地利亜、墺西太利亜、墺斯利、墺斯士利亜などです。墺の代わりに、澳、奥、欧などを用いる表記もあります。 

国名の表記は、漢字からカタカナ表記に

 国名の漢字表記は、中国の影響を受けたものです。中国では、世界各国の表示は漢字で行っています。オーストリアの中国語表記は、奧地利です。日本は、遣隋使の時代から中国大陸の国々と交流をする中で、漢字表記が使用されました。

 ただ、明治以降は、カタカナで国名を表記することが主流になり、米、英、仏などを除くと、漢字表記を使うことは少なくなっています。

まとめ

 国名の漢字表記の歴史を振り返ると、使用される言葉は時代の流れの中で、どんどん変わっていることを改めて実感できます。墺は、米、英、仏などのように定着しないかもしれませんが、墺がオーストリアを表現する漢字であることは、ぜひ、覚えておきたいものです。

こぼれ話

 私は合計3年間、オーストリア・ウィーンに駐在して仕事をしました。ドナウ川に沿った美しい街であるウィーンでは、シュニッツェル(うす切りカツレツ)や白ワインなどで美味しい食事を楽しみました。また、音楽にはあまり関心がありませんでしたが、オペラやミュージカルに親しむうちに、音楽が好きになり、同時に「音楽の都」として、音楽が市民の間に根付いていることを感じました。私にとって、「墺」は、愛着のある漢字になっています。

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