渋沢栄一 「論語」が座右の書で、「論語と算盤」を書く 日本資本主義の父 【偉人の生き方】

「日本の資本主義の父」と呼ばれた実業家の渋沢栄一は、中国・春秋時代の孔子やその高弟の言葉、問答を集めた「論語」を座右の書にしていました。利潤の追求は道義を伴って行わなくてはならない――。「経済道徳合一主義」は、生涯、栄一が貫いた思想で、その真髄は、著書「論語と算盤」に書かれています。「論語」の重みが伝わってきます。

「私は平生、孔子の教えを尊信すると同時に、『論語』を処世の金科玉条として、常に座右から離したことはない」(「論語と算盤」)

天保11年(1840)年、埼玉の富農の子として生まれた栄一は、父のすすめで、「論語」の素読を始めました。7歳になって、従兄の尾高惇忠について、「論語」を本格的に学びました。

この時は、「論語」とともに、四書の「孟子」や、「大学」、「中庸」、そして、五経の「易経」、「書経」、「詩経」、「礼記」、「春秋」、さらには、「日本外交史」、「十八史略」なども学び、和と漢の教養を身に付けました。

「論語」はすべて暗記していたとも言われています。

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栄一は大蔵省を辞めて、実業界に入ってから、「論語」の教えを「処世のよりどころ」にしようと考えました。商業で利潤を追求するのはいいが、商人の道義も高め、商業を発展させなくてはならない、と考えました。

幕末から昭和までを生きた栄一は、金融、鉄道、紡績、製紙など約500社の起業、経営に携わりました。東京海上保険、みずほ銀行、東京ガス、日本郵船など日本経済をけん引する会社も多くあります。また、社会福祉、保健、医療、教育など600以上の機関の設立にも関与しました。

「論語と算盤は、はなはだ遠くしてはなはだ近いものであると始終論じておるのである」、「富のなす根源は何かといえば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ」(「論語と算盤」から)。

渋沢栄一の思想がわかります。

「マックス・ウェーバーは欧州の資本主義の精神の基底にプロテスタンティズムの規範性が横たわっていることを指摘したが、日本資本主義の基底に儒教的価値が存在していることを体現しているのが渋沢栄一だといえる」。

寺島実郎さんは、渋沢栄一の功績をこう評価しています(本「渋沢栄一の『士魂商才』の中の監修者の言葉)。

今は、訳や解釈に優れた「論語」の本がたくさんでています。渋沢栄一の「論語と算盤」とともに、「論語」も読み込みたいものです。

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