レオナルド・ダ・ヴィンチ 膨大な手記、メモを創造力の源泉に 【偉人の生き方】

 「モナ・リザ」などで知られるルネサンス期の芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチは生涯で、膨大な手記やメモを残しました。イタリアやフランス、英国などに約5000枚が現存、約2500枚が湮滅したとされています。

 美術や音楽、建築、工学、数学、天文学など多分野で異彩を放ったレオナルド・ダ・ヴィンチの創造力の源泉がこれらの手記やメモにあったことがわかります。

 自分の眼で自然や町の風景を見る。本や資料を読み込む。人と会って話をする。レオナルド・ダ・ヴィンチはこれらの過程の中で感じたことを日々、手記やメモに書き留めました。書くことで、自らの思考を深めたのでしょう。

 「レオナルド・ダ・ヴィンチの手記」(杉浦明平訳、岩波文庫)には、珠玉の言葉が並んでいます。

 1954年に第一刷が発行された「レオナルド・ダ・ヴィンチの手記(上)」は64刷に達しています。手記は多くの人々に読まれました。その人気の高さがわかります。

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 「十分に終わりのことを考えよ。まず最初に終わりを考慮せよ」(人生論)

 「画家は孤独でなくてはならぬ。画家は孤独で、自分の眺めるものをすべて熟考し、自己と語ることによって、どんなものを眺めようともそのもっとも卓れた個所を選択し、鏡と似たものとならねばならぬ」(「絵の本」から)

 「画家は万能でなければ賞賛に値しない」(「絵の本」から)

 「遠近法は『絵画』の手綱であり舵である」)「絵の本」から)

 「影は光よりも大きな力をもっている、というのはそれは物体から光を禁じこれを完全に奪うけれど、光は物体つまり固体から影をすっかり追い払うことは絶対にできない」(「絵の本」から)

 「智慧は経験の娘である」(科学論)

 「数学的科学の一つも適応されえないところには、もしくはその数学と結合されないものには、いかなる確実性もない」(科学論)

 考えさせられる言葉ばかりです。

 レオナルド・ダ・ヴィンチはなぜか、これらの手記、メモを、右から左へ、鏡に写すことによって正しい向きになる「逆行文字」で書き留めました。

 「天才はメモ魔である」として、弁護士の矢部正秋さんは、レオナルド・ダ・ヴィンチを紹介しています。メモを取らなければ、アイディアは消えてしまう。書くことによって、考える。それが、深い思考に発展する。矢部さんは、「『すごい発想』はメモが導く」と書いています。まさに、その通りでしょう。

 私も、本の重要箇所やおもしろい部分を手帳に抜き書きしたり、2、3時間の早朝読書で気づいたアイディアをアイディア帳に書き込んでいます。もちろん、レオナルド・ダ・ヴィンチには及びませんが、抜き書きやアイディアを縦横に組み合わせて、新しいアイディアが生まれたらいいなあ、と思っています。自分にとっての精神史にもなります。

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