禅を学ぶ 中央公論の禅特集を読む ただ座る「只管打坐」のほか、歩行禅や半眼による座禅も
  月刊誌「中央公論」最新号(11月)で、「禅[ZEN]で克つ」の特集があることを知り、早速、読んでみました。ただひたすら座る「只管打坐(しかんだ ざ)」のほか、歩行禅や、半眼で行う座禅もあることを知りました。不透明な世相の中で、心の平安や救いを求めて、禅が人気となっています。

「座禅では、姿勢を整え、呼吸を整え、そこから心を整えることにつなげていきます。はじめに姿勢がある。姿勢はかたちです。かたちを整えることが心を整えることにつながってくる」

臨済宗全生庵の平井正修・住職は、ただひたすら座る「只管打坐」の真髄をこう語っています。東京・谷中の全生庵では毎朝、本堂で、座禅会を市民向けに開いているといいます。政治家では、中曽根康弘元首相や安倍晋三首相らが座禅に訪れているそうです。

私も朝、自宅で簡単な座禅をしていますが、今度は、午前5時から7時まで開かれている全生庵の座禅会に参加してみようと思います。

無になることの難しさをいつも感じていますが、どう変化するか楽しみです。

「禅は普遍的な宗教ですが、同時に日本人に適した宗教だとも思います」

臨済宗大本山妙心寺・退蔵院の松山大耕・副住職はこう語っています。東京工業大学の上田紀行リベラルアーツセンター長によると、宗教は伝播した国で、独自 の発展を遂げたといい、仏教や禅も、インドから中国、さらに日本に渡ってきて、長い年月ののちに、日本独自のものになったそうです。

禅は米国でも人気で、各地に禅センターがありますが、米国の禅もまた、違った形の宗教になっているのでしょう。

脳科学者の茂木健一郎氏は、「歩行禅」があることを語っています。「脳を空っぽにして歩く『歩行禅』は脳を整える」としています。私も、街観察のため、ウォーキングをよくしていますが、「歩行禅」を意識して歩いてみようと思います。

女優の田中美里さんは、薄く目を開ける半眼の状態で座禅することをすすめています。「半眼の状態は仏様のお顔と同じなのですね。半眼にするだけで顔の緊張がとれ、リラックスできます。忙しくて眉間に皺が寄っている方にもおすすめしたいです」と田中さんは語っています。

前出の上田センター長によると、現在、禅がもてはやされているのは、人々が教義よりも実践によって心の平安や救いを求めているからなのだそうです。もっと、もっと、禅を研究したくなります。

難解とされる道元の「正法眼蔵」もぜひ、読んでみようと思います。