「プロ弁護士の仕事術論理術」(矢部正秋著)を読み返し、「『すごい発想』はメモが導く」など、メモの効用を説いた個所を面白く感じました。その中で、日本社会党(現社民党)の政策通として知られた石橋政嗣さんが毎日、新聞や書籍から重要箇所を大学ノートに抜き書きしていたことを知って、抜き書きの実力を再確認しました。
この本によると、石橋さんは、「たとえば湾岸戦争を伝える各紙の外電記事から外国首脳や政府筋の発言をノートに書き出してみると、政府のどのレベルで、どんな考えがあるのか、一目でわかる。それをつないで推理すれば、あることがらがどうなるのか、ある程度、予測できるし、逆に違う結果になっても、そのデータをどう分析すればよかったのか、役に立つ」と朝日新聞 のインタビューに答えています。
含蓄のある言葉だと覆います。丹念に情報を拾い、集める。そして、それらをつなぎ合わせて分析する。抜き書き、メモの存在感を際立たせています。
私も、本や新聞を読んで、面白いと思った個所、重要な部分を愛用の手帳に抜き書きしています。また、毎日、生活していて、気づいたアイディアは素早く、手帳とは別のノートに書き込んでいますが、もっと、抜き書きし、アイディアを書き留める作業を地道に続けなくては、と思っています。
この本の著者の矢部さんも、「断片を対局に組み上げる」として、かつて、特許法に関する論文を書いた際、メモをカードに書き留めて、考え続けた結果、新しい視点が見つかり、全体の構想が「浮かび上がった」と書いています。
私も、「浮かび上がる」まではいかないものの、抜き書きなどを読んでいると、いろいろなアイディアを得ることがあります。
矢部さんは、「古今の天才は、膨大なメモを残している」として、フランスの詩人ポール・ヴァレリー、ルネッサンスの天才レオナルド・ダヴィンチ、「種の起源」を著したチャールズ・ダーウィンらを紹介しています。
これらの「メモ魔」ぶりを研究するとともに、一歩でも、これらの偉人に近づきたいと思います。
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