スウェーデンの首都ストックホルムは、大小14の島からなる「水の都」です。歴史的な建物が並ぶ旧市街や、最新のブティック街、芸術家の街、王室の保養地などさまざまな「顔」が同居しています。市の象徴ともいえる市庁舎があり、水と緑の空間で恵まれたクングスホルメン島から、スウェーデン観光の小さな旅を始めました。
クングスホルメン島にある市庁舎は、ストックホルム中央駅から徒歩で5分ほどの距離にあります。約800万個の赤レンガを積み上げた建物で、スウェーデン国家の金色の王冠3つをトップに載せたがタワーが目を引きます。ゴシック、ビザンチンなどを取り入れたナショナルロマンチックの建築様式で、スウェーデンを代表する建物の一つです。
市民からの募金をもとに、建築家のラグナル・オストベリ氏の設計で、1911-1923年に建てられました。
さっそく、ガイドツアーに申し込みました。英語、フランス語、ドイツ語などはありますが、日本語はありません。パリやロンドンなら、日本語のガイドはありますが、まだまだ、日本人観光客は少ないということでしょうか。
スポンサードリンク
A29 地球の歩き方 北欧 2018~2019 (地球の歩き方 A 29) 新品価格 |
建物に入ってすぐの場所にある「ブルーホール」の大広間は、青色に塗られる予定でしたが、赤レンガのあまりの美しさに、その赤レンガを残したといいます。赤レンガは落ち着きます。音響効果が良く、採光と相まって、独特の空間を演出しています。毎年12月10日には、ノーベル賞受章祝賀晩餐会が開かれます。
2階の市議会は、ヴァイキング・ルネッサンス様式で、天井が高く、ヴァイキング時代の雰囲気が残っています。ガイドによると、市議会では、社会民主党、緑の党の左派が多数を占めているそうで、高福祉政策を推進する構図が市議会でも見て取ることができます。女性の議員も増えているそうです。
「これは本物の金でしょうか、それとも。偽物でしょうか」。黄金の間に入ると、ガイドの女性が観光客に質問しました。黄金の間に壁面に貼られた金箔は本物で、建築時から、その価値は3倍になったといいます。金箔モザイクは1800万枚に及び、豪華な雰囲気を演出しています。正面の壁面には、メーラレン湖の女王が東の国々、西の国々を従えるように描かれています。ノーベル賞授賞パーティーの舞踏会で使用されています。
最後は、タワーに上ってみました。途中までエレベーターはあるものの、そこからは、赤レンガが積まれた空間を歩いて上ります。延々と続き、少々、疲れます。ようやく塔の上に到着すると、眼下に、メーラレン湖、その湖に映える尖塔の教会や美術館、博物館、官公庁舎などが見えてきました=写真=。穏やかな風も感じて、爽快です。
「スウェーデンは長い間、デンマークと紛争を抱えてきました。最終的に勝利したのを記念して、ストックホルム市庁舎の塔は、(デンマークの首都)コペンハーゲンの市庁舎の塔より1メートル高くして、106メートルにしました」
ガイドの女性がこう話しました。調べると、コペンハーゲンの市庁舎の塔は105.6メートル。その差は0.4メートルでした。略したのでしょうが、ちょっと愛国心もあって1メートルになったのかな、と微笑んでしまいました。
スポンサードリンク
スポンサードリンク