偉人の伝記は楽しく読むことができます。どんな時代に生き、どんな人物だったのか、その実像に迫ることができます。その偉人の生き方から、自分にとっての教訓を得ることが多く、当時の歴史を学ぶことにもなります。
伝記を通して、偉人を研究する。大切にしたい習慣となります。
慶應義塾大学を創設した福沢諭吉の「福翁自伝」を読み返しました。基本的人権や個人と国家の独立、男女平等を訴えたこと、若い時代は昼夜を問わず、書を読み続けたこと、米国に留学中の子供たちに手紙を送りつづけたことを、学びたい習慣として、このブログの「偉人のスタイル」に書いてきましたが、今回も新しい発見がありました。
福沢諭吉は1860年(万延元年)、軍艦「咸臨丸」に乗って、米国に渡り、米国の生活や文化などを体験しました。初めて馬車を見て驚き、ホテルの絨毯を見て、また驚き、その上を靴をはいて歩くのを見て驚きました。日本と違って、「女尊男卑」にも接しました。初めて、英辞書も買ってきました。日本の文化との違いを体感しました。
スポンサードリンク
新品価格 |
この後、諭吉は欧州にも行き、フランス、イギリス、オランダ、ロシアなどを見て回りました。「英書ばかりを買ってきた」そうですが、この時から、英書が日本に輸入されるようになったといいます。諭吉は1867年(慶應3年)、再び、米国に行きました。
自分の足で、外国に行き、自分の眼で、社会や文化を見る。また、肌で感じる。諭吉が今の時代にも通じる、先見の明に富んださまざまな思想を得たのは、こんな経験が裏付けになっています。我々が生活していく中で、大切にしたい教訓となります。
幕末から明治維新へと時代が変遷していく中で、諭吉が生きた足跡は、歴史の一部にもなっています。
「攘夷論」「王政維新」「暗殺の心配」などの言葉から、その時代をよく理解することができます。一人の人間の経験を通じた歴史書になっているともいえます。
歴史とは違いますが、大酒飲みに悩んだ心情も正直に吐露して、諭吉の人間味が伝わってきます。
「偉人の伝記はわれわれの向上心を刺激して発奮させ、主人公の協力者となって彼らと一つの世界を分かち合い、この世でもっともすぐれた人たちと一緒に生き、最高の友人たちと交わるように誘いかける」
「伝記を読めば、歴史そのものを学ぶことができる」
「伝記という壮大なドラマの中で、真に迫った生き生きとしたタッチで描かれている役者個人には共鳴を覚えるものだ」
英国の著述家、サッミュエル・スマイルは著書「向上心」の中で、自伝の魅力をこう書いています。
自伝は、含蓄に富んだ、深い読み物でしょう。自伝を読み続けるのを大切にしたいものです。
福沢諭吉 西洋文化の概念を日本語に翻訳 「西洋」、「演説」、「自由」は日本語として定着 【偉人のスタイル】