盆栽の真柏(しんぱく)がフランスなどの海外で人気になっています。その魅力に魅せられて来日する外国人も増えています。「BONSAI」はすっかり、新しい言葉として定着してきました。
真柏とはどんな盆栽なのでしょうか。また、その人気の理由はどこにあるのでしょうか。調べてみました。
真柏とは?
ヒノキ科の常緑針葉樹「ミヤマビャクシン」で、イブキの仲間です。山に自生していた樹木を採ってきて、長い年月をかけて育て上げたものです。産地は四国や糸魚川などが知られていますが、自然の中にある樹木ですので、数が限られています。このため、挿し木して育てた真柏も多くなっています。
枝が曲がりやすいため、盆栽師が腕をふるいやすくなっています。芸術性を高め、競うことができます。
樹齢400年を超すものも多くあります。
今や、盆栽の中で最も知名度のある盆栽の一つとなっています。
人気の理由は?
自然が創り出した自然美がまず、挙げられます。全体を見ると、樹木の茶の部分と、白い部分のコントラストに目がいくと思います。茶が生きている部分、白が死んだ部分と言われます。生と死が同居している形となり、死生観が表現されます。
樹齢1000年に及ぶものもあり、悠久の時の流れを感じさせてくれるものとなっています。
過酷な気象の中で、逞しく生き抜く。断崖で懸命に踏ん張り続ける――。真柏を前にして、立つと、さまざまな感情が浮かんでくるでしょう。世界観、宇宙観にも通じます。
盆栽の歴史
鎌倉時代から始まったとされ、明治時代、政治家や財界人らの間で一気に人気となりました。時間に加えて、お金もかかることから、今は、中、高年の男性が趣味として盆栽に取り組むことが多くなっています。ただ、日本国内では、愛好者がやや減り気味となっています。
盆栽が海外で人気
これに対して、海外では、フランスやオランダ、ロシアなど欧州を中心に、盆栽が人気となってきました。規模は日本に比べると、小さいですが、日本国内の盆栽園に弟子入りする若い男性も出てきました。師匠宅に住み込み、修行して、盆栽の技術を学んでいます。
優雅さの中で、個性を出せる――。BONSAIの、そんな点が外国人にとって魅力となっています。