最近は、新聞を紙だけでなく、電子版で読む機会が増えています。新聞電子版のスクラップのやり方はどうしたらいいでしょうか。紙面ビューアーを使って簡単に効率的に行う方法を紹介します。
スクラップのやり方は基本的に、新聞紙の場合と同じですが、電子版で最も役立つ検索力を活かしたいものです。新聞紙の場合と同様、7つのポイントに従って、新聞電子版のスクラップの仕方を日経電子版を中心に解説しました(トップの写真は、日経電子版の紙面ビューアー)。
ポイント1 スピーディーに
新聞紙の場合と同様、スクラップで心掛けたいのは、時間をあまり、かけないようスピーディーにすることです。大切なのは情報力アップのため、新聞記事を生かすことですから、省力化を図ります。
新聞紙の場合、重要な記事の載っている新聞の面を1枚びりりと手で破いてA4サイズに折りたたみますが、新聞電子版の場合は、重要な記事、面白いと思った記事を保存すればOKです。
スクラップしたい記事をクリックして、「保存」をクリックすれば、簡単に保存できます。あとでもう一度、読みたい時は、「保存記事」をクリックすれば、希望の記事が出てきます。キーワードで探し出すこともできます。
少し前までは、メールやEvernoteで共有する形でしたが、日経電子版の「保存」機能が充実して、便利になりました。
ポイント2 サイズを統一
新聞紙の場合は、びりりと破いた1面を4つに折りたたむとともに、記事をA4サイズでコピーして、大きさをA4で統一しましたが、新聞電子版の場合は、保存した時点で、サイズが統一できます。「保存記事」に、それぞれの記事が並びます。電子版の優れた一面でしょう。
テキストと、紙面記事の2つの方法で保存できます。紙面なら、新聞紙と同じ感覚で読むことが出来ます。
ここで、もうひとつ便利な機能があります。上の写真のように、記事をクリックして保存したら、その記事を印刷することです。そうすると、A4サイズの紙に、記事が印刷できます。ちょうど、記事を切り抜いて、紙に貼る作業が、印刷だけで済んでしまう形になります。
私は、A4に印刷した記事をジャンルごとにクリアファイルに入れるかバインダーに綴じています。紙の場合は、1面を4つに折りたたむため少し厚くなっていまいますが、日経電子版での印刷の場合は、A4の紙1枚で済むため、薄い形で保存できます。
ポイント3 死蔵させない
新聞記事を死蔵させないということは、新聞紙の場合と同様、電子版でも重要なポイントです。日経電子版の場合、新聞紙の場合より、スピーディーに、サイズを統一できますから、新聞紙の場合以上に、注意が必要です。
新聞記事を随時、活用してこそ、その記事の持つ情報が生きます。新聞電子版の場合も、これが鉄則になることをかみしめるべきでしょう。
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ポイント4 何度も繰り返し読む
死蔵させないための具体的な方法は、何度も、繰り返して読むことです。これは新聞紙の場合と同じです。スクラップしただけで満足してはいけないのです。
新聞電子版の場合、保存記事を開けば、記事一覧が示されますから、重要と思った記事、興味のある記事を読み返すといいでしょう。新聞紙の記事に比べれば、簡単に電子版の記事にアクセスすることができます。
何度も記事を読み返すことで、その記事の情報が的確に把握でき、本当に、自分に役立つ良質な記事が絞られてきます。すきま時間もうまく活用できそうです。
ポイント5 検索して多くのテーマの記事を読み返す
新聞電子版の場合は、検索力が優れています。新聞だと、記憶を頼りに新聞スクラップを探すことも多くありますが、電子版の場合は、読み返したい記事をテーマで検索すれば、そのテーマの入った記事がずらりと一覧で表示されます。次々に読んでいけばいいでしょう。
新聞紙の場合、1日1テーマのファイルを読むべきだ、として、朝起きたら、今日、読むファイルをビジネスバッグに入れるといいということを書きましたが、電子版の場合は、上記のように、検索すれば、読み返したいテーマの記事は一覧表示されますから、どんどん、記事を読むことができます。
ポイント6 分類はあまり必要ない
新聞紙の場合は、ファイルごとに記事を読んでいくと、さらに、細かく分類する必要が出てくることを書きましたが、新聞電子版の場合は、やはり検索力の高さから、あまり、分類する必要がありません。
新聞紙の場合、たとえば、「イギリス」なら政治、経済、社会、文化などに関する記事を1つのファイルに入れ、さらに、「イギリスのEU離脱問題」も大きなテーマになったら、別ファイルを作成することを書きましたが、日経電子版の場合、「イギリス」「EU」「離脱」のキーワードを検索欄に打ち込めば、この3つのキーワードの入った記事がずらりと出てきます。
あとは、読み返せばいいだけです。
ポイント7 気づきを手帳、ノートへ
新聞紙の場合、記事を読み返す中で生まれたアイディアや気づきは手帳やノートに書き移すことを書きましたが、新聞電子版の場合も同じです。印刷した場合は、その記事の載ったA4用紙に書き加えればいいでしょう。
まとめ
こう見て来ると、新聞電子版の検索力の高さが際立っていることがわかります。効率的にスクラップを作成することが出来ます。時間もあまりかからないし、新聞紙がたまるということもありません。
ただ、私は30年以上、新聞記者として働き、新聞紙を手に取って読んできただけに、「紙派」です。1枚1枚、新聞記事を手に取って繰ることで、さまざまなアイディアが浮かんでくるように思うからです。しばらく、新聞紙、電子版でのスクラップが同時並行しそうですが、貴重な情報を新聞に求め、情報力アップのために十分に生かすぞ、という気概は常に持ち続けたいと思っています。
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