天気予報を聞いていると、「明日の気温は平年に比べて、3度ほど高くなる見込みです」などと、「平年」という言葉を耳にすることがあります。気象庁が使う平年とは過去何年間の平均なのでしょうか。また、平年の平均である現在の平年値は過去に比べてどう変わったでしょうか。平年や平年値についてまとめました。
気象庁が使う平年とは、過去何年間の平均?
<この冬は平年並みの寒さに>
気象庁は9月24日(火)、寒候期予報を発表しました。
この冬の気温は全国的にほぼ平年並みとなる見込みで、雪国の降雪量は平年並みか多くなる予想です。しっかりとした寒さ、雪への対策が必要になります。https://t.co/mmsdntYRKm pic.twitter.com/0vtKciQ74t— ウェザーニュース (@wni_jp) September 24, 2024
気象庁が使う平年とは、過去30年間の平均です。現在は、1991年から2020年までの期間に観測されたものが対象で、その平均が、平年値となっています。
気温
湿度
降水量
降雪量
日照時間
などで、それぞれの地域ごとに、平年値が算出されます。
天気予報では、その平年値と、現在の気温、降水量、日照時間などを比較することで、その時々の気象やその後の気象予報が説明されます。
冷夏
暖冬
少雨
多雨
なども、平年値と比べることで表現されることになります。
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現在の平年値は過去に比べてどう変わった?
【9月26日(木)】東日本~東北の太平洋側や北海道は雲が広がりやすく、所々で雨が降るでしょう。その他の地域は晴れる所が多い見込みです。
最高気温は全国的に平年より高く、西~東日本では30℃を超える所も多いでしょう。 pic.twitter.com/TXxUErDSc5— Yahoo!天気・災害(ヤフー天気)🌤 (@Yahoo_weather) September 25, 2024
現在の平年値は、2021年5月19日に更新されました。直近の30年間となったことで、新しい平年値は、過去の1981年から2010年までの期間の平年値に比べて、以下のような形になりました。
・年の平均気温は地球温暖化や都市化の影響で、全国で0.1度から0.5度高くなった数値になりました。
・真夏日(30度以上)が多くの地点で、3日以上という数値になりました。
・降水量は、多くの地点で約10%多くなった数値になりました。
・降雪量は、冬の気温上昇などの影響で、多くの地点で少なくなった数値になりました。
・桜の開花時期は、ほとんどの地点で、1~2日早い数値になりました。
・台風発生数・上陸数、台風梅雨入り、梅雨明けについては、現在の平年値と変わっていません。
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まとめ
10月は高温で真夏日も、11月と12月は平年並みの気温…気象庁が3か月予報https://t.co/0mCHPv6C2h#ニュース
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) September 24, 2024
現在の平年値では、たとえば、全体的に気温が低かった1980年代の記録が外れ、全体的に気温が高かった2010年代の記録が追加されることになりました。この結果、気温の平年値は上がる傾向になり、体感に近くなっています。ただ、熱中症は年々、増加傾向にあり、平年値にかかわらず、警戒することが大切です。