知足とは? どんな意味の禅語? 「道元『禅』の言葉」を読んで

  曹洞宗の開祖・道元(鎌倉時代の僧)の言葉を紹介した「道元『禅』の言葉」(境野勝悟著)を繰り返して読んでいます。見開きの右のページで、言葉を取り上げ、左のページで、その言葉を解説するスタイルです。どの言葉も深く響いてきます。

 「知足」――。そんな中で、よく言われる、こんな言葉に改めて興味を持ちました。

 境野さんは著書の中で、「『足る』を知れば、だれもが、簡単に苦痛 から解放され、人生の悩みが消える。いままでの人生の何か一つでも満足して感謝すれば、心安らかになる」と解説しています。「いま」に満足することをもう一度、かみしめたいものです。

 道元のほかにも、以下のような言葉もあります。

 「知足者富(足るを知る者は富む)」(老子)

 「水を飲んで楽しむ者あり。錦を衣(き)て憂うる者あり」(江戸時代の儒学者、中根東里)

 「知足」は、道元が53歳の時、自らの死期を感じて、最後に説いた「八大人覚」の一つで、そのほかには、

 「少欲(欲を持ち過ぎない)」
 「勤精進(やりたいことを一つにしぼる)」
 「不忘念(自分のあるがままを受け入れる)」
 「修禅定(一歩引いて見つめてみる)」

 などがあります。

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  知足は知っていましたが、改めて、この言葉を読み返すと、考えさせられます。自分の人生を振り返ることができます。

 不満に思うこともあるでしょう。ただ、そんな中でも、その不満を口に出すのではなく、いままで生きることができたことに改めて感謝する――。そんな原点に立つことがきます。

 不安や不満は、自分と対話することで和らぎます。

 「ひとのしぬるのち、さらに生とならず」

 境野さんは、道元の別の言葉も紹介しています。

 「人が死んでしまったら、二度と、この世を楽しみ、この世を遊ぶことはできない。ああ、なんと素晴らしき人生。自分の人生を無報酬で支えてくれた大宇宙の偉大な『生命』に『ありがとう』と合掌したとき、今日の一日が輝く」と境野さんは説いています。

 「(道元の)名前は知っていても、道元が著した『正法眼蔵』九十巻の全体を読み通せた人はほとんどいない」と境野さんは書いています。

 難解とされるのが「正法眼蔵」が敬遠される理由ですが、道元の言葉を知ると、禅の思想を深く学んでいきたい気持ちが強くなってきます。

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