高校時代の教科書で、日本史を学ぶ 知的レベルの高さに改めて驚く 高校時代の思い出もよみがえって

 高校時代の教科書で、日本史を学び直しています。もう40年くらい前の教科書ですが、知的レベルの高さに改めて驚いています。高校時代の思い出もよみがえり、学ぶのが楽しくなります。

 今、読み直しているのは、「新日本史」(家永三郎著、三省堂)です。作家の佐藤優さんが「学習参考書に蓄積された知的成果を社会人が生かせなくなっているのは大きな社会的損失だ」と著書「読書の技法」でこう書き、高校の教科書で学ぶことをすすめているのを読んで、教科書を使っての日本史の勉強に取り組みました。

 「日本史の学習は、私たちの生活と関係のない昔のできごとや人の名前を覚え込むためのものであってはならない。私たちは、私たちの住んでいる社会をよく知り、私たち自身をもっとりっぱな人間に向上するために、歴史を学ぶのである」

 「現在の社会がこのような姿を取るまでの長い歴史をたどってみるときに、はじめて現在の社会をじゅうぶんに理解することができるであろうし、またこれをさらによりよい社会に発展させていくための道を見つけることも可能となるにちがいない」

 教科書「新日本史」の序論でこう書かれているのを読むと、日本史を学ぶ意義がよくわかります。

 1ページごとに丁寧に読んでいきます。覚えるべきことはたくさんありますが、その意味、時代背景を考えながら読むと、歴史がよく理解できます。NHKのテレビやラジオなどで、日本史の番組があれば、その番組も見てみます。教科書の記述と比べながら、番組をみることで、重層的な見方が養われます。

 教科書を読んで、関連の寺院や神社、仏像などを見ると、実際に見たい気持ちがわいてきます。そうした時は、実際、現地に行き、自分の足で歩いて、考えてみることにしています。京都や奈良には多く行くことはできませんが、鎌倉など近くの場所から訪れることにしています。

 教科書の裏側には、学籍番号が書かれています。教科書の中には、様々な書き込みがあり、読み返すと、当時の心情や環境がよみがえってきます。教科書には、貴重な思い出も詰まっています。

 教科書の価格は、231円でした。この価格をもとに、いろいろな物の価格を想像すると、当時の物価もわかって楽しくなります。

 歴史を学び、歴史から学ぶ。そんな姿勢で、日本史を学び続けたいと思います。