街を見ながら歩くのは気分のいいものです。行きは、京急線にほぼ沿う形で、川崎大師まで行きました。京急川崎大師駅前に到着すると、「表参道 大師 厄除門」の門が。くずもちや煎餅、飴、だるまなどを売る商店街を歩き、川崎大師に到着しました。
正月準備が急ピッチに進んでいました。屋台が組み立てられ、境内が清められていました。「厄除けのお大師さま」で親しまれた川崎大師は、京都の智積院が総 本山で、成田山新勝寺(成田市)、高尾山薬王院(八王子)とともに、真言宗智山派の大本山の寺院です。まもなく、初詣でで、多くの人々でにぎわいます。パ リのテロ事件の影響か、警察官の姿が目立ち、厳戒態勢が敷かれていました。
川崎大師に近く、多摩川河口から鶴見川河口にかけての「大師 の海」ではかつて、「大師海苔」が生産されたことをいつしか本で読み、知りました。江戸時代から、海苔作りが盛んで、戦後の一時期は浅草海苔の大半をまか なったほどだといいます。浜の埋め立てで、1972年、100年に及ぶ海苔作りの歴史に幕を閉じましたが、その後も、「大師海苔」の銘柄を残した海苔が川 崎大師の境内で売られ、上質な海苔で人気が高かったといいます。
近くの商店街で探してみましたが、残念ながら、見つけることはできませんでした。海苔を売る商店でも聞いてみましたが、「もうずいぶん前になくなりました」との答えでした。海苔作りが終わっただけに、その銘柄も消滅してしまったのでしょう。
地図を見ると、「大師運河」があるだけです。「大師海苔」は買うことができず幻に終わりましたが、歴史の大きな流れを感じる小さな旅になりました。
帰りは、市街地を歩き、JR川崎駅まで戻ってきました。NHKの番組で、専門家の方が「1秒に2歩を目安にするといい」と言っていたため、「1秒2歩」 「1秒2歩」とつぶやきながら、時々、早歩きし、ちょっとあわただしくなりましたが、充実した歩きになりました。往復で約1万5千歩でした。
街を見て、歴史を感じながら、歩く。街歩きの魅力は増しそうです。