東京都心にある明治神宮は、都民に親しまれる憩いの場となっていますが、日本の林学の創始者と言われる本多静六博士(1866-1952年)がこの森を造ることに尽力しました。常緑広葉樹を植えることで、100年後以降も長く生き続ける明治神宮の森を作り上げました。将来を見据える力でしょう。
夕刊フジの花田紀凱さんのコラム「天下の暴論+」(2016年6月30日付)などによると、本多博士は当時、帝国大学農科大学の教授で、明治神宮の森つくりの中心として、シイ、カシ、クスなどの常緑広葉樹を植えることを決めました。
常緑広葉樹は、耐煙性を持つだけでなく、自然に落下する種子によって再生し、人為によらなくても自然に存続するのが大きな特徴なのだそうです。クロマツやヒノキ、アカマツなども全国から寄進されましたが、ほとんどが枯れてしまいました。
花田さんは記事の中で、植物生態学者の宮脇昭さんが著書「森の力」で、明治神宮の森について、「先人たちが知恵を絞ってつくった人工の森の最高傑作のひとつ」と絶賛していることを書いています。そのうえで、花田さんは、本多博士の植樹について、「先見性と長期的展望を持った」ものとして、評価しています。
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後世の人々のために、仕事を成し遂げ、成果を残す。本多博士の人物の大きさを感じ取ることができます。改めて、本多博士の偉業を感じながら、ゆっくりと、明治神宮の森を歩くといいと思います。
明治神宮の森
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