しじみの味噌汁の効果・効能は? オルニチンなどのアミノ酸に注目 栄養素たっぷりに

 会社員時代、欧州での長期駐在から帰国すると、いつも飲みたくなったのが、味噌汁です。特に、しじみの味噌汁は、あさりの味噌汁と並んで、恋しい日本の味で、いつも美味しく飲み干したものです。

 今は、日本に住んでいるため、しじみの味噌汁をいつでも飲むことができますが、調べれば調べるほど、しじみは豊富な栄養素を含んでいることがわかり、そのパワーに驚くばかりです。しじみの味噌汁の効能は抜群で、特に、オルニチンなどのアミノ酸に注目です。

 ◇しじみの味噌汁の特長

 アミノ酸、ビタミン、カルシウム、タウリン、鉄分、亜鉛など豊富な栄養素がギュッと小粒の貝に凝縮されていることでしょう。どの栄養素も身体にいいものばかりです。特に、アミノ酸は豊富で、人間の生命の元となるタンパク質を形成します。

 体はタンパク質によって作られています。味噌汁の味噌、その原料となる大豆にも、たんぱく質をはじめ、脂質、食物繊維、カリウム、カルシウム、鉄分、亜鉛、ビタミンB1、葉酸など多くの栄養素が含まれており、しじみの栄養素との相乗効果で、しじみの味噌汁はさらに栄養素の高いものになっています。

 また、しじみの栄養素はすべて水に溶けるため、しじみの身は食べずに残しても、十分に栄養は摂取できます。
 
 しじみは古い食材で、縄文時代から食べられていたと言われます。特に、江戸時代になって、「肝臓にいい」として大人気になり、お酒を飲んだ後の二日酔い防止に用いられるようになりました。
 
 しじみは淡水、汽水域に生息する二枚貝で、日本の在来種としては、全国各地で獲れるやまとしじみや、ましじみ、琵琶湖で獲れるせたしじみがあります。漁獲量は落ちていますが、せたしじみが一番美味とされています。最近は、中国や台湾、ロシアからの外国産しじみの輸入が増えています。

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 ◇効果・効能

 効果・効能はたくさんあります。順を追って見ていきましょう。

 ・肝臓の機能をアップ

 「肝臓にいい」という江戸時代からの効能が一番よく知られています。お酒を飲み過ぎて二日酔いになると、頭痛や吐き気、だるさなどに悩まされますが、これは、アルコールが肝臓で分解される際に、アセトアルデヒドという毒素が発生するからです。

 しじみには、多くのアミノ酸が含まれていますが、その中の一つであるオルニチンは、肝臓の働きを助け、解毒を促します。これで、身体が正常に戻ることになります。肝臓はアルコールのほか、有害物質の解毒を行いますが、その解毒にもオルニチンは有効です。しじみを冷凍すると、オルニチンは8倍になるといい、うまく冷凍を活用したいものです。また、タウリンはオルニチンの働きを助けます。
 
 しじみには、オルニチンをはじめ、メチオニン、リジン、アラニン、グルタミン、グリシンなど多くのアミノ酸が含まれていますが、これらは、肝機能をアップさせる効能があります。しじみには、これらのアミノ酸が他の貝類に比べて、多く含まれています。

 ・疲労回復を促進

 やはり、オルニチンがここでも活躍します。オルニチンは解毒作用のほか、細胞を修復する働きもするため、疲労回復を促します。また、しじみに含まれる亜鉛も新陳代謝を活性化させ、疲労を回復してくれます。さらに他の貝類に比べて含有量の多いビタミンもエネルギーを生み出し、脳や体の動き、神経系統などを正常に保ってくれます。

 ・骨を丈夫に、骨粗しょう症も予防

 あさりに比べて4倍のカルシウムがしじみには含まれています。このため、成長真っ盛りの子供の骨や歯を強くしたり、妊婦のカルシウム不足を補ったりしてくれます。年を取ると、骨も弱くなり、骨粗しょう症になる危険性も高まりますが、しじみを食べることで、この病気を予防することもできます。

 ・貧血防止

 しじみには、鉄分とビタミン12が豊富に含まれ、貧血になるのを防いでくれます。貧血になると、酸素が全身に行き渡らくなり、めまいやたちくらみ、息切れ、吐き気などの症状が現れます。鉄分を摂取することで、赤血球が正常に作られ、貧血にはならなくなります。

 男性に比べて、女性が貧血になることが多く、積極的に、しじみで鉄分を摂りたいものです。また、鉄分には、免疫力を高める働きもあります。タウリンも、血圧を正常に保つ働きがあります。

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 ・動脈硬化を防止

 オルニチンは、血中にコレステロールがたまるのを防いでくれます。この結果、動脈硬化にならないようになります。また、オルニチンには、肝臓に脂肪がたまらないようにする働きもあり、脂肪肝を予防してくれます。

 ・アンチエイジング効果

 しじみには、ビタミンEも豊富に含まれています。ビタミンEは、血管の細胞を老化させる活性酸素を取り除く働きをします。この結果、血管は若いままで保たれ、人々を若く見せる役割を果たします。タウリンには、血圧を正常に保つほか、コレステロールを排除する働きもあり、これも血管の老化を防ぐアン一エージング効果を増進させます。

 ・美容効果

 オルニチンは肝機能をアップさせ、新陳代謝を促しますが、これは、肌にも効果を発揮します。肌のシミ、シワ、くすみが減りやすくなり、美容効果が期待できます。ビタミンB12や葉酸、鉄分、亜鉛なども美肌効果があると言われています。健康面だけではない、しじみの効能です。

 ・ダイエット効果

 しじみの味噌汁は、低脂肪・低カロリー(お椀一杯で約25kcal)ですので、ダイエット効果があります。ほかの食事内容に注意しなくてはなりませんが、しじみの味噌汁だけなら、体重を気にせずに飲むことができます。

 ◇まとめ

 しじみには、こんなにたくさんの効能があります。しじみは、土用のうなぎに対して、土用のしじみとも言われるくらい、昔から、その栄養価が注目されてきた食材です。上記のほかにも、様々な小さな効能が指摘されています。特に、「エース格」のオルニチンについては、サプリメントも出ていますので、うまく、しじみパワーを活用することが大切でしょう。

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