インド人スタッフとどう付き合うか――。インド駐在では普通、家庭でインド人スタッフを雇うことが多くなりますが、そのつきあい方をめぐって、悩む駐在員もいます。
核家族化が進む日本では、夫婦と子供という家庭が増えていますから、家庭にインド人スタッフがいるという状況には慣れていません。ノイローゼになる夫人もいますから、大きな問題です。
インド人スタッフ9人+ワンちゃん
インド人スタッフを雇うのは義務ではありませんが、インド社会からの雇用期待があるため、外国人は家庭でインド人スタッフを雇用しています。
私の場合も
調理
買い物
運転手
清掃(部屋全体)
清掃(床)
洗濯・アイロン
門番(1人8時間で、計3人の24時間体制)
を担当する9人を前任者から引き継ぎました。それに、大型の雑種犬も、です。
「マスター」
私は、「マスター」と呼ばれていました。その名の通り、すべてに対して、指示を出さなくてはなりませんでした。「今日の3食はどんな食べ物にするのか」「何を買い物するか」「何を洗濯するのか」など指示することも多くありました。
インド人スタッフは、指示に従って動くのが慣習でしたから、毎日、大変でした。日曜日は門番を除くと、誰も来ませんでしたから、「今日は誰も来ない」とホッとしたのを覚えています。
夫人の悩み
私は単身赴任でしたから、家庭運営も私がしましたが、これが一家による海外駐在の場合は、一家の夫人が具体的な指示を出すことになります。人付き合いが得意な夫人は、うまくこなしていましたが、これに慣れない夫人は日々、悩むことも多くなります。なかには、ノイローゼになって日本に帰国した夫人もいました。
郷に入っては、郷に従え
インドで生活するのなら、やはり、インドの慣習を尊重することが大切です。インド人スタッフを雇用するとはいえ、命令するのはよくありません。スタッフの立場を考え、仕事をお願いするという意識を持ちたいものです。同じ家庭の一員であるという気持ちでいれば、意思疎通もスムーズになるでしょう。
調理担当の女性のご主人が亡くなった時、「ぜひ、葬式に参列してほしい」と言われた時は、この女性との付き合いを大切にしていてよかったなあと思いました。
ちなみに、死んだ人の葬儀はガンジス川で行うことが知られていますが、これは身分の高い裕福な人々です。この調理担当の女性は、街中の、決してきれいとはいえない葬儀場で、火葬しました。
まとめ
インド人スタッフの給料は、会社ではなく、自分で負担するのが一般的です。一番、高いのが、月給5000円くらいの調理担当で、一番、安いのは、床清掃担当の1000円くらいです。
金額的な負担はそう大きくありません。ですから、インド人スタッフとどう、いい関係を築くかがインド生活を充実させるために大切になってきます。
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