クアッド(Quad)の意味は? クアッドは何語で、参加国は?

 クアッド(Quad)の首脳会談が2021年9月24日、米国ワシントンで開催されます。クアッド(Quad)の意味はどういうものでしょうか。クアッド(Quad)は何語で、参加国はどの国かも含めて、クアッド(Quad)についてまとめました。

クアッド(Quad)の意味は? クアッドは何語で、参加国は?

 クアッド(Quad)は、英語です。正式には、Quadrilateral Security Dialogue で、クアッド(Quad)はその通称となっています。

 Quadrilateral Security Dialogueのうち、Quadrilateral は、ランダムハウス大辞典によると、「四辺(形)の」という意味ですから、Quadrilateral Security Dialogueは直訳で、「4か国の安全保障に関する対話」となります。

 クアッド(Quad)参加国は、

 日本
 米国
 オーストラリア
 インド

 の4か国になっています。

 世界地図で見ると、これらの4か国は、インド洋、太平洋に面しています。クアッド(Quad)は、ともに、安全保障や経済を協議し、「自由で開かれたインド太平洋地域」を目指そうとする国際的な枠組みです。

 4か国は、

 民主主義
 自由
 人権
 法治主義

 を共通理念として掲げています。

 これに対して、インド洋、太平洋への進出を画策している中国は権威主義的であり、クアッド(Quad)の4か国は、この中国に対抗していこうという思惑を秘めています。

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クアッド(Quad)設立の経緯

 クアッド(Quad)は、安倍晋三前首相が2016年、4か国による戦略対話を提唱したのが設立のきっかけとなりました。

 2019年9月、米国ニューヨークで初の4か国による外相会談が行われ、翌年の2020年10月には、東京で2回目の外相会談が行われました。この時の外相会談では、定期的に外相会談を開催していくことを確認しました。

 クアッド(Quad)は共同で安全保障政策にあたるため、4か国が2020年11月、ベンガル湾やアラビア海で、合同軍事演習を行いました。

 2021年3月には、

 日本の菅義偉首相
 米国のバイデン大統領
 オーストラリアのモリソン首相
 インドのモディ首相

 の4か国首脳がオンラインで会談しました。この時、4か国首脳は、

 新型コロナウィルスワクチン対策
 気候変動
 重要・新興技術

 の3分野で作業部会を設置することで合意しました。

 2021年9月の4か国首脳会談でも、これらの分野で協議を行うことになっています。

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クアッド(Quad)の今後は?

 クアッド(Quad)の今後はもちろん、「自由で開かれたインド太平洋地域」を目指すことになりますが、具体的に、この地域で大きな脅威になっている中国にどう対処していくかが大きな課題になってきます。

 4か国は、中国との間でさまざまな問題を抱えています。

 米国は、「唯一の競争相手」と位置付ける中国と覇権争いをしています。
 日本は、沖縄県・尖閣諸島の領海への侵入を繰り返す中国との間で緊張を高めています。
 インドは、中国との国境周辺で衝突しています。
 オーストラリアは、中国との間で、貿易摩擦に直面しています。

 インドは、非同盟を外交政策の基本としていますが、中国との国境での衝突を抱えるため、米国の説得で、クアッド(Quad)に加わりました。中国の脅威で、非同盟の基本方針を一部変えたとも言えるでしょう。

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まとめ

 中国は、こうしたクアッド(Quad)の動きに、「対中国包囲網」を構築するものとして反発しています。インド太平洋地域が今後どうなるか、ひとつひとつの問題を追うと全体像が見えてくるでしょう。

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