空飛ぶ車(クルマ)の仕組みやメリットは? ヘリコプターとの違いは? 

 空飛ぶ車(クルマ)の開発競争が世界で活発になっています。「未来の乗り物」として期待感が高まりますが、空飛ぶ車の仕組みやメリットはどうなっているのでしょうか。ヘリコプターとの違いなどを含めて、空飛ぶ車についてまとめました。

空飛ぶ車の仕組みやメリットは?

空飛ぶ車の仕組み

 空飛ぶ車は文字通り、空という空間を飛ぶ車です。車と言えば、地面を走るものですから、これまでの車というイメージや走行の仕方を大きく変えるものになっています。

 空飛ぶ車は以下のような仕組みで空中を飛ぶことになります。

 ・垂直に離着陸する
 ・飛ぶのは、高度100メートルから250メートルの空間
 ・操縦士(運転手)はおらず、自動運転
 ・当初は、4人乗りまでとなる予定
 ・スマートフォンで予約できる

 日米などの企業が現在、空飛ぶ車の浮上実験を行っていますが、その写真を見ると、ドローンを大きくしたような形になっています。トップのイラスト(いらすとや作製のものです)を参考にしてもらうといいでしょう。

空飛ぶクルマ (電動航空機がもたらすMaaS革命)

空飛ぶ車のメリット

 空飛ぶ車の特徴を見て来ると、メリットもわかってきます。以下のようなものです。

 ・空間を飛びますから、渋滞に書き込まれることがありません
 ・方向転換が自在にできます
 ・悪路が多い山間部などでも自由に移動できます
 ・事故や災害の時、人命救助に使うことが出来ます
 ・航空機に比べれば、小規模のため、安く開発できます
 ・操縦士(運転手)は必要ありません

空飛ぶ車への懸念

 空飛ぶ車のメリットはいろいろありますが、懸念もあります。

 最も多いのは、新しい乗り物だけに、安全性が挙げられます。空間を飛んで、墜落しないかという点です。また、自動運転になりますから、空飛ぶ車同士が空中で衝突しないかということもあります。

 離着陸する場所も確保する必要もあります。

 2017年からは、空飛ぶ車の実用化に関する官民協議会が発足し、空飛ぶ車の安全性や認証方法、免許制度、離着陸場所などについて話し合っています。

空飛ぶクルマ ―空のモビリティ革命に向けた開発最前線

空飛ぶ車とヘリコプターの違いは?

 空飛ぶ車は、一見、超小型のヘリコプターのようにも思えますが、ヘリコプターとの違いはどこにあるのでしょうか。

 最も大きな違いは、高度です。空飛ぶ車は、前述のように、高度100メートルから250メートルの空間を飛びます。ヘリコプターは建物から300メートルから300メートル高い空間を飛びます。ヘリコプターの高度のほうが、より高くなります。

 ちなみに、ドローンは地上から150メートル以下の空域を飛ばしますから、高度の高さは、

 ヘリコプター
 空飛ぶ車
 ドローン

 の順になります。

 また、空飛ぶ車は自動運転ですが、ヘリコプターは操縦士によって航行されます。

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実用化はいつを目指して開発中?

 空飛ぶ車の構想が最初に示されたのは、2016年です。アメリカの「スーパー・テクノロジー」社が「空のタクシー計画」を発表しました。

 現在は、欧米や中国の約200社の企業や研究機関が2020年代半ばの実用化を目標として、空飛ぶ車の開発に取り組んでいます。大手航空機メーカーの「エアバス」も開発に参画しています。

 日本では、トヨダ自動車を退職した福沢知浩さんが(33)が立ち上げたベンチャー企業「スカイドライブ」が2023年度の実用化を目指しています。2020年夏、愛知県豊田市の試験場で、8つのプロペラの付いた空飛ぶ車で、1人の操縦士による有人飛行試験を行い、初公開しました。最終的には、操縦士のいない自動操縦を目指しています。

 開発競争が激しくなる中、世界の他の企業などをリードしていると見られています。 

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まとめ

 空飛ぶ車は、ドローンに関する技術が高度化したことに伴って、実現が視野に入ってきたものです。車が空を飛ぶということには、大きな夢がありますが、まだ、安全性をはじめクリアすべき点も多いのも事実です。開発とともに、安全性に関する法整備が進むことも求められます。

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