ジャーナリストの池上彰さん、学者の外山滋比古さんの本を読むと、「辞書を読む」習慣があることがわかります。辞書を読む、その効果はどうでしょうか。池上彰さんや外山滋比古さんの読み方を知って、語彙力を増やしましょう。
辞書を読む その効果は? 池上彰さんや外山滋比古さんの読み方を知って語彙力を増やす
池上彰さん
「重い辞書を枕元に置いた父は、少しずつページを繰っては、読み進んでいました。小説ならともかく、辞書を読むなんて。その旺盛な知識欲に私は圧倒されました」。
フリージャーナリストの池上彰さんは、著書「学び続ける力」(講談社現代新書)で、こう書いています。
米寿を過ぎて寝たきりの生活になったお父様が、岩波書店の「広辞苑」第四版が発売されたのを知って、池上さんに、購入するように頼み、亡くなるまで読み続けたのだそうです。
「『広辞苑は』は、父の形見になりました。『広辞苑』は、いま第六版が出ていますが、私には第四版が宝物です」と池上さんはその思い出を振り返っています。
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外山滋比古さん
学者の外山滋比古さんも、著書「知的生活習慣」(ちくま新書)の中で、「辞書を読む」として、英和辞書だけでなく、「新明解国語辞典」を机上に置いて、毎日のように、引いて読んだことを書いています。
「ことばが問題になると、私はすぐ『新明解』、それでわからぬとき、要領を得ないときは、『大辞林』を見る。一般的には、『広辞苑』のほうが人気が高いようだが、私は年来、『大辞林』を信用、愛用している」と外山さんは同著で書いています。
知識欲は、外山さんにも共通しています。
辞書を読む その効果は?
辞書を読むことの効果としては、日本語の語彙力が大きくアップすることでしょう。知らなかった語彙に出会えば、使える語彙が増えます。また、知っている語彙でも、違う意味を知れば、その語彙に対する理解がさらに深まります。日本語が豊かになっていきます。
日本人にとっては、日本語は母国語なんだ、という意識が強まります。
語彙の成り立ちを知れば、日本の歴史や文化にも興味が広がっていくでしょう。
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辞書はどんな風に読むか
では、辞書をどんなふうに読んだらいいでしょうか。
まず、気軽に辞書を手にすることでしょう。池上さんのお父様のように、1ページごとに読み進めるのは、次に、どんな日本語に出会うかワクワク感があります。一つの言葉に対する興味が増します。いろいろな解釈、言葉の使い方に、新たな発見、驚きがあることでしょう。
外山さんのように、言葉に出会って、疑問などを感じたら、辞書にあたって調べるのはオーソドックスな辞書の使い方です。一つの言葉を多くの辞書で引いてみると、一つの言葉に対する理解が深まります。
机上に辞書を置いておけば、すぐに調べることができます。時間があったら、パラパラとページをめくって、手あたり次第、読んでみるといいでしょう。辞書への愛着も増しますから、日本語の語彙力も深まります。
福沢諭吉の功績
「演説」「西洋」「自由」などの言葉は今や、すっかり、現代用語として定着していますが、江戸時代までなかったものです。慶應義塾大学を創設した啓蒙思想家の福沢諭吉(1835年-1901年、慶應義塾大学創設者)が、新しい西洋文化の概念を日本語の訳語に置き換え、その地道な作業の結果、生まれたものです。日本文化を変革した偉業と言えるでしょう。
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まとめ
辞書を1ページ、1ページを繰って、あるいは、好きな個所を開いて目に飛び込んできた語彙を読み込む。そして、一語一語の日本語の意味をかみしめる。辞書を読むのが楽しくなるはずです。
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