
池波正太郎の代表作のひとつに「鬼平犯科帳」があります。江戸と東京を比べた地図「大江戸今昔マップ」を見ながら、この時代小説を読み返してみました。そうすると、主人公である長谷川平蔵が当時の特別警察ともいうべき「火付盗賊改方」の長官として活躍する姿や、江戸の町の様子を思い浮かべることができます。
池波正太郎の代表作「鬼平犯科帳」 江戸の古地図を見ながらこの時代小説を読むと
歌舞伎座にて上演されている
七月大歌舞伎『鬼平犯科帳 血闘』へ。映画とはまた違って
舞台ならではの空間を共有でき
幸四郎さんが目標としているという
"鬼平歌舞伎"、そのものでした。高麗屋親子三代の共演、そして
舞踊『蝶の道行』も圧巻でした!特設ショップでサントラ発見!
ありがたき。 pic.twitter.com/1wur4o5l5k— 吉俣良 / RyoYoshimata (@RyoYoshimata) July 10, 2025
「幅二十間の本所・横川にかかる法恩寺橋をわたりきった長谷川平蔵は、編笠のふちをあげ、さすがに、深い感慨をもってあたりを見まわした。鉛色の雲におおわれた空に、凧が一つのぼっている」
「本所・桜屋敷」(「鬼平犯科帳の一遍)はこんな迫力のある描写で始まります。これは、長谷川家の屋敷の周辺を書いたものです。長谷川家の屋敷は父・長谷川宜雄が京都町奉行となって京都に行くまで、本所・三つ目にあり、横川河岸・入江町の鐘楼の前だったといいます。
「大川から竪川(たてかわ)に入ると、本所になる。竪川は、万治二年に堀割りされたもので、幅二十間。これに橋をかけて一つ目橋、二つ目橋・・・その三つ目橋が平蔵の旧邸があったところだ」(「本所・桜屋敷」)
当時の江戸の地図見ると、本所深川は隅田川から東にかけて、町が開け、平蔵の旧邸をさらに東に向かうと、田畑になっていたことがわかります。長谷川平蔵は、こんな町境で盗賊を追ったのでした。当時の風景が目に浮かぶようで、小説の魅力が増します。
長谷川平蔵の旧邸は今の都営新宿線の菊川駅の北側にありました。
剣友・岸井佐馬之助と出会う場面では、馬之助が押上の春慶寺に住んでいることを平蔵に話しています。江戸の地図を見ると、押上に春慶寺があり、一帯では田地が目立ちます。
「鬼平犯科帳」では、浅草や両国、深川、神田などが小説の舞台になっています。池波正太郎は、どんな江戸の地図を見て、小説を書いたのでしょうか。池波正太郎が使った地図を見たいと思えてきます。
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まとめ
7月大歌舞伎 千秋楽
鬼平犯科帳
TVシリーズで又五郎さんや中車(香川照之)は同心役、幸四郎(当時染五郎)はちょっとダメな若旦那役で出てた人達が数十年後に歌舞伎の舞台に出てて幸四郎は今や鬼平だし…歌舞伎の楽しみの一つだなーと思いながら見てた👍 pic.twitter.com/dfbyww5vbS— ばた (@1Merq4wbyy52341) July 26, 2025
江戸の地図を見ながら時代小説を読む。そして、できるだけ、それらの小説の舞台を歩いてみる。
時代小説読みが楽しくなりそうです。
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