「『禅』とは、人間がこの世で生きていくための根本となる教えです。つまり、人が幸せに生きるための習慣であり、考え方であり、ヒント。深くてやさしい『生きる知恵』の宝庫なのです」。
禅寺の住職で、庭園デザイナーも務める枡野俊明さんは、著書「禅、シンプル生活のすすめ」で、こう書いています。
「生きる知恵」の宝庫--。禅の魅力、禅の良さがひしひしと伝わってきます。
枡野さんは、著書の中で、禅を象徴する教えとして、「不立文字(ふりゅうもんじ)、教外別伝(きょうげべつでん)、直指人心(じきしにんしん)、見性成仏(けんしょうじょうぶつ)」を挙げています。
文字や言葉にとらわれることなく、今、ここにいる自分の「本来の姿」に出会うことで、他人の価値に振り回されないよう、余計な悩みを抱えないよう、無駄なものをそぎ落とし、限りなくシンプルに生きるのが「禅スタイル」だとしています。
「ちょっと『習慣』を変えるだけ。ちょっと『見方』を変えるだけ」と枡野さんは書いています。
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「日本では仏教に関係のある本がよく売れる。五木寛之さんや瀬戸内寂聴さんなどがその典型だろう。小説は読んだことがなくても、仏教的な書物なら読んだ中高年の世代は多いであろう。その世代にとっては、仏教は、それほど惹かれるものなのだ。それならば、余生の三十五年間で、仏教を追求するのも一つの方法だろう」。
渡部昇一・上智大名誉教授(故人)も、「知的余生の方法」で、こう書き、弘法大師の空海や親鸞ら、日本で大思想家と言われるのがほとんど僧侶であることを指摘しています。定年という人生の転機に立った退職者らの心に、仏教が訴えかけるのがわかります。
ドイツの作家ヘルマン・ヘッセも以下のように、禅を称賛しています。
「日本で初めて完全な発展を遂げることのできた禅という精神の昇華のように、非常にすばらしく、同時に愉快なもの、きわめて理知的であるとともに、力強いだけでなく実生活にしっかり根を下ろしたものが、数百年このかたありましたし、今もあるのです」。
「私は禅を、そもそも一つの民族が獲得した最良の財産の一つ、仏陀と老子の教えに匹敵する叡智と実践であると考えています」。
禅は海外でも人気が高まり始めています。
日本では自分のすぐそばに、その禅があります。禅寺に行き、枯山水の庭園などで座禅をし、自分の心と対話してみる。本を読んで、禅の精神を学ぶ。豊かな、充実した生活になるでしょう。
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