レーニンは、ノート作りの天才 抜き書きし、コメントも付ける 【偉人のスタイル】

 作家の佐藤優さんは、著書「読書の技法」の中で、社会主義国のソ連を作った政治家ウラジーミル・レーニン(1870-1924年)を「ノート作りのいち ばんの天才だった」と分析しています。レーニンは、読んだ本の抜き書きをし、コメントを付けたうえで、必要な時には復元できるようにしていました。レーニンの読書ノートに学びたいものです。

 レーニンの読書ノートで目に引くのは、ヘーゲルの「歴史哲学講義」を要約したものです。「レーニン 全集」第38巻には、レーニンの読書のノートの再現があります。

 「歴史哲学講義」は約750ページありますが、レーニンは、この本を10ページで要約しています。需要な個所を抜き書きし、「機知に富んでいるし賢明だ」「非常に賢明だ」「弱い」「もっとも重要なのは序論であり、そこには問題提出にすばらしいも のがたくさんある」などのコメントが付いています。

 本との「対話」でしょう。本をどう解釈したか、本から何を学んだか、の記録になって います。「レーニンの中で生涯、本から得た知識が生きたはずである。レーニンが成功した秘訣はこうしたノートのとり方にあり、ビジネスパーソンが学ぶべき 点は多い」と佐藤さんは書いています。

 佐藤さんも抜き書きとコメントで、自らのノートを作っていることはこれまでのブログでも書きました。400字詰め原稿用紙で月産1000枚を超す仕事量は、こうした読書ノートの結果でしょう。

 「書を読んだら、自分の感じる所を抄録しなさい」。私塾「松下村塾」で多くの志士を育てた幕末の教育者・吉田松陰も、本の重要箇所を抄録、つまり、抜き書きしていました。読書したら、抜き書きをし、自分のメモを書き残すよう門弟を指導しました。

 私も、愛用のノートに、本の重要箇所や面白いと思った部分を抜き書きしていますが、最近は、新聞で面白い記事に出会ったら、見出しと、面白いと思ったことを メモすることにしています。記事はびりりと破いて、クリアファイルに保存してありますので、もう一度、読みたい記事はすぐに出てきます。

 瞬時に検索でき、自分の思考を深めることができます。抜き書きも、一定の量に達しないと威力は発揮できないでしょう。本を読み、抜き書きをする。地道な作業が必要だと思っています。

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