イスラム国とは?② 拠点は縮小へ テロに警戒 国際情勢をキーワードでやさしく読み解く

 イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」がイラクやシリア、リビアで、重要拠点を相次いで失っています。各国政府軍などが米軍の空爆の支援を得て、ISの重要拠点を奪還したためです。ISは追い詰められてきましたが、窮地を脱するため、世界で再び、テロを起こすのではないかとの懸念も強まっています。警戒が必要です。

 ISが失った軍事拠点は以下の通りです。

 6月17日 イラク軍が米軍の空爆支援で、イラク中部の要衝ファルージャを奪還。
 8月11日 リビア暫定部隊が米軍の空爆支援で、リビア中部のシルトをほぼ奪還。
       シルトは、イラクやシリア以外にある唯一の軍事拠点で、ISは、シリアの「首都」
       ラッカに次ぐ第2の軍事拠点にしようとしていましたが、この試みは失敗に終わり
       ました。
 8月12日 シリア民主軍が米軍の空爆支援で、シリア北部の要衝マンビジュを奪還。
       マンビジュは、トルコ国境まで約30キロの都市で、ISにとっては、「首都」ラッ
       カとトルコ国境を結ぶ重要な補給拠点となっていました。

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 いずれもISが重要な軍事拠点としてきたものばかりです。大きな打撃で、今後、ISがさらなる劣勢に追い込まれることが予想されます。米軍主導の有志国連合や各国軍は、これらのIS拠点壊滅を受けて、さらに、IS勢力の追放の姿勢を強めています。特に、力を入れているのが、「首都」ラッカと、イラク北部の重要拠点モスルの制圧です。

 ISの根絶は簡単ではありませんが、この動きの中で、ISがテロを再び、企てるのではないかとも見られています。ISはテロ専門機関を持っており、欧州やアジアなど国別にテロ計画を立て始めたともされています。  

 写真は、産経新聞の記事(8月6日付)。イスラム国が、ロシアに対して、ジハード(聖戦)を行うと発表。これに対して、ロシアが警戒を強めていることを報じています。 

 イスラム国とは①の記事も合わせてお読みください。

 イスラム国(Islamic State)の特殊性

 国家を名乗っていますが、国際社会の通常の国家とは大きく異なります。国家形態・組織は整っておらず、イスラム国家樹立という自らの主張をテロを通じて訴える過激派組織になっています。イスラム国を承認した国家はなく、イスラム国が発行したパスポートも使用不可能です。世界各地で、テロを続行する手口を見ると、その特殊性が際立っています。・・・記事はこちらです。

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