本格的な冬を前に、猛威を振るうインフルエンザに備える季節がやってきました。インフルエンザに有効な予防接種はいつしたらいいでしょうか。また、予防接種の回数は何回が適当でしょうか。インフルエンザに関する知識をまとめてみました。
予防接種はいつが適当か
長期的な展望をにらむことが大切です。インフルエンザが流行し始めるのが毎年１１月上旬から１２月下旬にかけてで、翌年１月から３月にかけてピークとなります。インフルエンザの効果が出るのはワクチンの予防接種をして抗体ができる１～３週間後で、効果が続くのは３、４か月間ですから、これらの日程を考慮して、１０月下旬から１１月中旬にかけて予防接種をしたいものです。最も効率的に予防接種を受けることができます。次の年まで効果は維持しません。
２、３月に入学試験に臨む受験生は特に、このスケジュールを頭に入れて予防接種をし、インフルエンザに罹患せず、万全な健康状態で試験を受けたいものです。
予防接種のワクチンは昨年から、３種類のウィルスから４種類のウィルスに対応するものになりました。世界保健機構（WHO）の推奨に基づくものです。２０１５年までは、「カリフォルニアA型（Ｈ１Ｎ１）」と「スイスA型/Ｈ3Ｎ2」のA型２種類に加えて、「プーケットB型（山形系統）」、「テキサスB型（ビクトリア系統）」のB型２種類のどちらかの３種類に対応したワクチンでしたが、昨年からA、B４種類に対応するものになり、予防接種の効果が一層、上がりました。Ａ型２種類、Ｂ型２種類の４つに対応することから、「４価ワクチン」と呼ばれています。頭に入れて置きましょう。
予防接種の回数は？
厚生労働省によると、年齢別に以下のような回数が推奨されています。
６カ月以上３歳未満 １回０．２５ml ２回接種
３歳以上１３歳未満 １回０．５ml ２回接種
１３歳以上 １回０．５ml １回接種
子供は１回だけでは不十分で、２回、予防接種を受けることが大切です。大人と違って、子供は、様々ウィルスや菌に出会っておらず抗体ができていないため、２回の予防接種で、インフルエンザに対する抗体をつくる必要があります。医師の指導に従って２回目を受けましょう。２回目の予防接種は、１回目の予防接種から２～４週間後に受けます。
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ブースター（追加免疫）効果
大人は通常１回の予防接種で十分とされますが、２回の予防接種も効果です。インフルエンザに対する抗体を増やすことになり、２回予防接種を受けると、効果が大幅に増すとされているからです。これを、「ブースター効果」、あるいは、「ブースト効果」と言います。体内で、細菌やウィルスに対する抗体が作られた後、再び同じ抗原（病原体）に出会うと、これを排除しようとする力が増す生物学的な原理に基づいています。インフルエンザの予防接種をしても、抗体ができにくいことに対応したものでもあります。子供と同様、２回目の予防接種は、１回目の予防接種から２～４週間後に受けるのが適当です。
受験生や、介護など集団生活する環境にある人々は、２回予防接種を受けることがいいでしょう。
予防の大切さ
インフルエンザの予防接種を受ければ、インフルエンザに罹らないと考えてはいけません。確かに、効果は高まります。個人差はありますが、予防接種によって、インフルエンザに罹りにくくする、という免疫力は上がり、大人の場合、１回の予防接種で６０％程度、２回の予防接種で９０％程度、インフルエンザを予防できるとされています。子供の場合は、抗体に慣れていないことから、３０～６０％の予防効果となっています。また、インフルエンザに罹ったとしても、症状を軽減することができます。しかし、日常生活の中で、インフルエンザに罹らないよう注意することも重要です。注意事項は以下の通りです。
・外出いた時はできるだけマスクをする。
・人ごみを避ける。
・帰宅したら、手洗い、うがいを励行する。
インフルエンザは感染症の一つですから、ウィルスを極力、排除する意識を持つことが大切です。
副作用
インフルエンザの予防接種によって、発熱することもあります。注射した個所が赤くなったり、かゆくなったりもします。予防接種した当日はできるだけ、安静にすることも必要です。風呂も避けた方がいいでしょう。
まとめ
会社員時代、私はインフルエンザの予防接種を毎年２回、受けていました。今回、インフルエンザの予防接種について調べて、大人は１回でもいいことがわかりましたが、やはり、予防という点では２回の方がより効果が高まるでしょう。自分の状況を考えて、場合によっては２回、予防接種を受けることも検討すべきだと思います。病気に対する警戒を怠らないという意識を常に持ちたいものです。
トップのイラストは、「いらすとや」のものです。
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