南米原産で、尻に毒針を持つ「ヒアリ」が、日本各地で相次いで見つかっています。ヒアリはどんなルートで日本に入ってきたのでしょうか。環境省が作成した「ヒアリの分布図」を見ると、ヒアリは南米の原産国から、北米へ、中米へ、そして、アジアへと次々に侵入しており、日本侵入は、その「延長線上」にあることがわかります(トップの写真は、2017年7月15日の読売新聞の記事)。
「ストップ・ザ・ヒアリ」。危険な外来昆虫「ヒアリ」による被害を防ぐために――。環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室がこんなタイトルで作成した小冊子は、ヒアリの生態などについてまとめられていて、大いに役立ちます。
なかでも面白いのは、「ヒアリの分布図」です。ヒアリは「南米原産」として新聞などで報道されていますが、この分布図を見ると、南米の中部が原産国であることがわかります。具体的には、ボリビア、パラグアイ、ブラジル南西部、アルゼンチン北部です。
これらの原産国から、ヒアリはまず、1942年に米国南部へ侵入しました。そして、その後は、こんな具合に、中米の国々に侵入しています。
1982年 プエルトリコ
1994年 バハマ
1996年 英領バージン諸島
1997年 米領バージン諸島
2000年 アンティグア・バーブーダ
2000年 トリニダード・トバコ
2001年 タークスカイコス諸島
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そして、ヒアリは、アジア諸国、オーストラリア、ニュージーランドなどへも侵入しました。
2001年 マレーシア・ペナン島
2001年 オーストラリア・クイーンズランド州
2003年 ケイマン諸島(中米)
2004年 台湾
2004年 ニュージーランド
2005年 中国
ヒアリが日本の隣国にまで侵入してきていることがわかります。ヒアリは主に、貨物に紛れ込んで世界各国に侵入してきましたが、日本でも5月26日、兵庫県尼崎市で発見されて以来、中国からのコンテナ(荷物)や、コンテナ置き場で見つかっています。
経済の国際化が進み、世界各国はより近くなってきています。まだ、ヒアリは、日本全域に広がっている訳ではありませんが、早期に、防御策を取らないと、ヒアリが日本に侵入し、各地で生息するようになってしまう事態にもなりかねません。
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