本多静六博士 「少々お福分け申し上げます」 心をこめて贈り物をする 【偉人のスタイル】

 「少々、お福分け申し上げます」--。日本林学の祖とも言われる本多静六学博士は、いただきものを二重に生かす「お福分け」を行っていました。ちょっとしたものをもらったら、その贈り物を分けて、贈る。相手が返礼しなくてもいいように贈る。相手を思いやった生活の知恵が凝縮されています。

 本多博士は、盆暮れの贈答という形式にこだわらず、便利で喜ばれそうなものをもらった時に、お福分けをしました。半分を家に残し、半分を親しい人や近所の人に。家に残した半分は、さらに半分ずつに分け、家用とともに、客人にも提供したといいます。

 ここでも、4分の1貯金と同様、4分の1の贈り物活用術です。

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 「(お福分けなら)先方ではもらいやすく、返礼の苦痛がない。盆暮などに目立つような立派なものを届ければ、先方にかえって返礼の手数をかけることになる」と本多博士は書いています。

 高価なものでなくてもいい。自分の心を込める。盆暮にもこだわらない。お福分けで自分と他人の幸福を増幅させる。本多博士が独自のスタイルを貫いたことがわかります。きっと、人間関係も良かったことでしょう。

 贈り物をする時は普通、新しいものを買いますがが、いただいたものを生かすという点で、人生の処世術ともなっています。贈答の在り方を考えるヒントにもなります。

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 本多博士に学んで、私も、ちょっとしたプレゼントをすることにしています。街を歩いたら、訪れた先々で、その土地の和菓子や食べ物などを買います。1つ150円から300円ほどものです。ものを買うと、街のことが理解でき、街歩きの印象度が増します。友人や知人らにプレゼントすれば、さらに、会話も弾み、自然に、人間関係も良くなります。

 もちろん、返礼は気にしなくてもいいものばかりです。

 どら焼きや大福、だんごなどの和菓子を買うことが多いですが、今や、日本には、いいものがたくさんあります。そんな日本の良さを感じるひと時にもなります。

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