「ひねもすのたりのたりかな」の意味とは? この文を使った与謝蕪村の俳句は?

 「ひねもすのたりのたりかな」は、独特の余韻が感じられる言葉です。「ひねもすのたりのたりかな」の意味とはどうなっているのでしょうか。また、この一文を使った与謝蕪村の俳句は何でしょうか。「ひねもすのたりのたりかな」についてまとめました。

「ひねもすのたりのたりかな」の意味とは?

 「ひねもすのたりのたりかな」の意味をいくつかの言葉に分けて考えてみましょう。

「ひねもす」の意味とは

 本の「美しい『大和言葉』の言いまわし」(知的生き方文庫)によると、

 「ひねもす」は、私たちの祖先が日本の風土の中で産みだした独自の大和言葉です。

 「日」に接尾語の「ね」が付いた「ひね」に

 助詞の「も」が付き、

 さらに、接尾語の「すがら」がついた「ひねもすがら」

 が変化した言葉とされています。

 「ひねもすがら」の「すがら」は、「過ぎる」という意味の言葉で、時間の経過を表しているそうですから、「ひねもす」にも、

「日が過ぎる」という意味があります。

 「ひねもす」を国語辞典でチェックすると、

 「『一日中』『朝から晩まで』の古い言いかた」(例解新国語辞典)

 「一日中。終日。↔よもすがら」(岩波国語辞典)

 となっています。

 「ひねもすがら」の反対語が、「よもすがら」になっていることもわかります。

「のたりのたり」の意味とは

 では、次に、「のたりのたり」の意味を見てみましょう。

 「のたりのたり」は、前出の岩波国語辞典によると、

 「波などが、ゆるやかにうねる様子」となっています。「物事の状態・身ぶりを、それらしく表した」擬態語です。

この「ひねもすのたりのたりかな」の文を使った与謝蕪村の俳句は?

 与謝蕪村の俳句を見ると、「ひねもすのたりのたりかな」の意味がよくわかります。

 「春の海 ひねもすのたり のたりかな」

 波がゆるやかにうねる春の海がうたわれています。春の海の穏やかさが目に浮かんでくるようです。

 「ひねもすのたりのたりかな」は、この俳句によって、よく知られていると言ってもいいでしょう。

まとめ

 「ひねもすのたりのたりかな」をそのまま使うことは難しいですが、「ひねもす」は、「一日中」に代えて使うことが出来ます。「今日は一日中、本を読んでいました」ではなく、「今日はひねもす、本を読んでいました」も時々、使うと、言葉の豊かさを感じることができるでしょう。

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