ニホンウナギの特徴とは? 生息地や寿命などの生態を解説

 かば焼きや白焼きなどで人気の食材となっているニホンウナギ。そのニホンウナギの稚魚であるシラスウナギが2020年から日本など東アジアで良く獲れています。不漁だった2019年から一転しての豊漁です。シラスウナギの値段も下落しており、今年は、うなぎの味を大いに満喫できそうです。

 ニホンウナギの特徴とは、どんな点にあるのでしょうか。生息地や寿命などの生態も含めて解説します。

ニホンウナギの特徴とは?

 ニホンウナギは、ウナギ目ウナギ科ウナギ属で、学名は、Anguilla japonica(アンギラ ジャポニカ)です。

 マリアナ諸島西方海域で産卵し、日本、台湾、中国、韓国など東アジア各国の河川、湖沼で成長します。再び産卵にはマリアナ諸島西方海域に戻ります。こういった魚は、「降河回遊魚(こうかいかいゆうぎょ)」と呼ばれ、大きな特徴となっています。

 体は、細長い円筒形で、背側が黒く、腹側は白くなっています。体表は粘膜で、ヌルヌルしています。

 世界には、アメリカウナギ、ヨーロッパウナギなど19種類のウナギが生息していますが、日本では、ニホンウナギとオオウナギの2種類のみで、主に、ニホンウナギが食用となっています。

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生息地や寿命などの生態を解説

 特徴をもう少し掘り下げて、具体的に探ってみましょう。

日本での生息地は?

 すでに述べたように、マリアナ諸島西方海域で産卵し、海流に乗って、日本列島全域の沿岸地に到達します。その後、稚魚のシラスウナギは河川をさかのぼり、河川や湖沼の沼地で生息します。

 夜行性で、夜間に小魚や水生昆虫などのエサを活発に捕獲します。昼間は、砂の中や岩陰などでじっとしていることが多くなっています。

 数年で成長し、マリアナ諸島西方海域に向けて戻ります。

養殖

 食材となるニホンウナギはほとんどが養殖のものです。シラスウナギが日本各地の沿岸に到達した時点で、このシラスウナギを捕獲し、養殖で育てています。半年ほどで市場に出荷されます。

 ただ、中国や台湾からのニホンウナギが食材のうちの過半数を占めています。天然のものは少なくなっています。

寿命は?

 天然では、20年を生きるものもいます。

体長で最大のものは?

 50~60センチのものが多いですが、大きいものは、1メートルを超えるものもいます。 

捕獲量の推移

 2020年から豊漁となっていますが、2019年の不漁の前にも、2009年~2012年にも、日本沿岸で獲れたシラスウナギは減少したことがあります。

 このため、国連自然保護連合(IUCN)は2014年、ニホンウナギを絶滅危惧種に指定しています。このため、水産庁は、ニホンウナギ保護の観点から、養殖用のシラスウナギの量を21トンに規制しています。

 現在、2年連続の豊漁では、2021年1月には、前年並みの7トンのシラスウナギを捕獲しています。ただ、豊漁の原因はよくわかっていません。産卵地がマリアナ諸島西方海域であることが突き止められたのも2005年、東京大学海洋研究所によってで、ニホンウナギに関しては、なぞも残っています。

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まとめ

 うなぎは日本の伝統的な食文化のひとつになっています。ニホンウナギについての知識も深めたいものです。

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