江戸の治安は、どう保たれていたのでしょうか。こんな疑問が時々、浮かびますが、調べてみると、町奉行や同心らの組織が庶民の暮らしを守っていたことがわかります。江戸の平和が長期間、維持されてきた理由がここにあります。
江戸の治安は? 町奉行や同心らの組織が庶民の暮らしを守る 江戸時代の平和の理由がわかる
本の「『江戸』を楽しむ」(今野信雄著)によると、江戸の治安は、こんな組織によって守られていました。
大岡越前や遠山の金さんら町奉行が江戸の治安の責任者で、その町奉行を頂点に、以下のような人物がいました。
町奉行
↓
与力
↓
同心
↓
銭形平次や人形佐七らの岡っ引き
↓
無報酬で働く手先
らです。
一方、民間では、3人の町年寄が、町奉行を助けました。町奉行からお触れが出ると、町年寄は、その下にいた名主に伝達しました。さらに、名主は、その下の家主にお触れを伝えました。
「初期をのぞけば250年もの間、江戸がずっと平和を保ち得た理由がおわかりでしょうか」と今野さんは書いています。
町奉行を頂点とした組織があったからこそ、江戸時代の平安があったことがよくわかります。町奉行や与力、同心、岡っ引きなどの言葉は時代劇でよく聞きますが、どういう構造だったかまではあまり知られていません。
こんな構造を頭に入れておくと、江戸に関する書物を読んだり、ドラマを見た時に、その内容がすーっと理解できそうです。
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「『江戸』を楽しむ」(今野信雄著)
「『江戸』を楽しむ」(今野信雄著)は、わかりやすい文体で、江戸の町作り、風呂文化、隠居たちの生活、ゴミ、火事、武士道などが解説されています。
江戸城築城は30年かかったこと
江戸の街路の設計は、富士山か江戸城の天守閣を正面に仰ぎ見る仕組みになっていること
江戸は年間を通じて水不足だったことから江戸初期は風呂屋が少なかったこと
などを知ることもできます。
成毛真さんの著書「本は10冊同時に読め」
「私が江戸に関する本をよく読むのは、祇園で遊ぶときに便利だからである。舞妓さんと一緒に歌舞伎を観に行ったときに、『昔の舞台の暗さはどれくらいだったか』『江戸時代の幕間弁当は何だったか』などという話をすれば、盛り上がるではないか」
成毛真さんは、著書「本は10冊同時に読め」で、こう書いています。
江戸に関する知識で、話を盛り上げる。江戸は魅力に富んだ時代だったことがわかります。
本は10冊同時に読め!―――本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術 (知的生きかた文庫)
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まとめ
「迷子しらせ石標」のように、江戸の名残を残すものは都内にたくさんあります。本を読んで、その場所を訪問して、観察し、考える。「江戸」は、大きな研究テーマになり得ることを示しています。
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