奈良茶飯は江戸時代の大人気料理 川崎宿の茶屋「万年屋」の名物

 奈良茶飯は、江戸時代、庶民らに大人気の料理でした。川崎宿で一番、大きかった茶屋「万年屋」の名物料理で、今は、万年屋の跡地にも近い、お菓子処の「東照」(川崎市川崎区本町)が10年前に、「奈良茶飯」を復活させて、川崎宿跡巡りをする人々に提供しています。私も実際に食べてみました。

奈良茶飯は江戸時代の大人気料理

 「東照」のチラシなどによると、「奈良茶飯」は、米に、

 勝栗
 小豆
 大豆
 粟

 などを混ぜて、お茶の煎じ汁で炊いたご飯だったそうです。

 十辺舎一九の「東海道中膝栗毛」の中で弥次さん、喜多さんも食べたと紹介されています。

東海道中膝栗毛(上) (講談社文庫)
東海道中膝栗毛(下) (講談社文庫)

川崎宿の茶屋「万年屋」の名物

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万年屋と解説版

 奈良茶飯は、奈良の興福寺や東大寺で食べられていたといい、これに目を付けたのが、多摩川を渡って、すぐの場所にあった茶屋の「万年屋」でした。米や豆類の旨みがじっくり味わえることや、腹持ちがいいことから、人気になったそうです。

 東照本店の「奈良茶飯」(税込み880円)=写真=は、現代風にアレンジしてあるのが特長で、うるち米ともち米に勝栗、炒った大豆、粟、小豆を加え、お茶の風味でおこわに仕上げてあります。

 食べると、栗や小豆、大豆などの甘味が、持ち米のモチモチ感と合って、味わい深いご飯の美味しさを感じることができます。アサリの味噌汁、奈良漬も茶飯のうまさを引き立ててくれます。

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奈良茶飯の歴史

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