目黒行人坂の大火の現場を歩く江戸三大大火の一つの火元・大円寺

　東京のJR目黒駅から目黒川に向かって行人坂を下りていくと、大円寺＝写真＝があります。江戸時代の明和９年（１７７２年）、この寺から火の手が上がった大火は、寺の前の坂をもじって、「目黒行人坂の大火」と呼ばれ、江戸三大大火の一つになりました。この目黒行人坂の大火の現場を歩いてみました。

目黒行人坂の大火の現場を歩く　江戸三大大火の一つの火元・大円寺

冒頭で出てきた火事の出火元、目黒の行人坂。そちらにある大円寺は東京の中でもお気に入りのお寺。
境内にはこの大火の供養のための石仏群があります。
また日本では珍しい金箔貼るタイプの仏像も😳#大河べらぼう pic.twitter.com/62qFYk7fse

— 加治まや┊福井移住 (@maya_kaji) January 5, 2025

　本の「江戸を楽しむ」（今野信雄著）によると、江戸時代は火事が多く、江戸時代を通じて、約１６００件の火事が発生、大火がそのうち約９０件を占め、世界の火事史上でも群を抜いていたと言われています。

　最も多くの被害者（約１０万７千人）を出したのは、「振袖火事」とも言われる明暦の大火（１６５７年）でしたが、「目黒行人坂の大火」の明和の大火も、死者約１万４７００人、行方不明者約４０００人を出し、文化３年（１８０６年）の「車町の大火」と並んで、江戸三大大火の一つになりました。

　境内には、「行人坂の火事」で亡くなった人々を供養するために建立された石仏群があります。

石仏群

石仏群

　釈迦三尊像と、その両脇に、文殊菩薩と普賢菩薩、十大弟子、十六羅漢、そして、その背後に、４９１基の羅漢像が並んでいます。手を合わせ、犠牲者の冥福を祈りました。

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目黒行人坂の大火の現場から、目黒不動尊にも足を延ばして

放送期間も折り返しを過ぎた大河ドラマ「べらぼう」。第１話は明和9年（1772）の大火から始まりました。
火元は目黒行人坂。風に煽られ浅草までも延焼したといいます。
このほかにも江戸は多くの災害に見舞われていました。詳しくはデジタル展示「天下大変」で！#大河べらぼう https://t.co/1265cZ94mb pic.twitter.com/hb7G9HBiVc

— 国立公文書館 (@JPNatArchives) July 11, 2025

　少し歩くと、目黒不動尊があります。目黒不動尊は江戸時代、五色不動（目黒、目白、目赤、目黄、目青）の一つとして、人々の信仰を集め、江戸近郊の行楽地として、にぎわったことも知りました。

　また、江戸後期には、最高千両（約１億円に相当）の賞金の富くじが庶民の間で人気となり、目黒不動尊は、湯島天神、谷中の感応寺と並んで、「江戸の三富」と言われ、親しまれたことも学びました。

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まとめ

べらぼうの時代(第1回放送)。明和9(1772)年、江戸を襲った明和の大火(目黒行人坂大火) 。当時の中津藩主は、島津重豪の蘭学友である賢公奥平昌鹿。昌鹿は家臣を伴い自ら出馬して、江戸城大手門内勘定所を消防。この忠義の行動は第10代将軍家治の耳に入り、お褒めの言葉をいただいています。#奥平昌鹿 pic.twitter.com/eKgrRuWZ01

— 中津城（奥平家歴史資料館）公式アカウント (@nakatsujyo) August 8, 2025

　歩くだけで、史実を知ることができ、疑問がわいて、勉強になります。江戸時代の文化や出来事を、街歩きを通して知りたくなります。