ノートルダム大聖堂とは 歴史や特徴を探る ゴシック建築の世界遺産

 フランス・パリの観光名所であるノートルダム大聖堂で15日夕(日本時間16日未明)、大規模な火災が発生し、高さ約90メートルの尖塔が焼け落ちました。建物全体の崩壊は回避されました。火災発生当時、大聖堂では改修工事が行われており、検察当局は失火の疑いがあるとして捜査を開始しました。フランスのマクロン大統領は、ノートルダム大聖堂の再建のため、国際社会に寄付金を呼び掛ける方針を示しました。

 ノートルダム大聖堂とは、どんな建物なのでしょうか。歴史や特徴を探ってみました(トップのイラストは、いらすとやのものです)。

 ◇歴史

 1163年に建築が始まり、1345年に完成しました。182年もの歳月がかかりました。パリ中心部のシテ島にあり、すぐ近くをセーヌ川が流れています。シテ島はパリで最初に人が住み着いた場所とされています。

ノートルダム大聖堂はフランス語で、Cathedrale Notre-Dame de Parisと表記されます。Notre-Dameは、聖母マリアの意味です。

 ちなみに、小文字のnotreは、「私たちの」を、同じく小文字のdameは、「貴婦人や身分の高い女性」をそれぞれ指す言葉です。たとえば、la premiere dame de Franceは、フランスのファーストレディ、つまり、フランス大統領夫人ということになります。

 1991年に、「セーヌ川の河岸」の一つとして、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産に登録されました。

スポンサードリンク

 ◇特徴(高さと光)

 高く空に伸びた尖塔を特徴とするゴシック建築の最高傑作とされています。

 「飛梁」と呼ばれるアーチ型の柱で大聖堂の外壁を補強し、大聖堂の天井を高く”引き上げて”います。聖堂内部は高い所で約33メートルあり、広い空間が演出されています。

 また、3か所の巨大バラ窓にあるステンドグラスを通して、光が大聖堂内に入り込むように設計されています。神を光と見るゴシック建築の考え方を体現したものとなっています。南側のステンドグラスはキリスト、北側のステンドグラスは聖母マリアが絵柄のモチーフになっています。バラ窓は、バラの花びらに似ていることから、こう呼ばれています。

 高さと光が、ノートルダム大聖堂の持ち味と言えます。

 ◇特徴(レリーフ)

 大聖堂の正面入り口上部には、「聖母戴冠」「最後の審判」「聖アンナ(聖母マリアの母)」がレリーフで描かれています。また、大聖堂内部には、キリストの生涯を描いたレリーフなどもあります。

 ◇特徴(シメールの回廊)

 シメールはギリシャ神話に登場する守り神です。怪獣のような形をしており、魔除けをするとされています。二つの鐘塔の中間にある「シメールの回廊」(高さ46メートル)には、これらの守り神が配置されています。この回廊からは、パリ市内を一望できます。

 ◇特徴(雄大さ、ゼロ地点)

 大聖堂をゆっくり巡れば、キリスト教カトリックを深く理解することができます。また、その雄大さを知るのなら、近くのアルシュベッシェ橋をはじめ、サン・ミシェル橋、トゥルネル橋などから眺めるといいでしょう。船に乗ってセーヌ川から眺める方法もあります。

 大聖堂の近くには、フランス全土の距離を計測する起点となる「ゼロ地点」があります。

 ◇まとめ

 今回、これだけの歴史的価値のあるノートルダム大聖堂が大規模な火災に見舞われました。同聖堂は、フランスだけでなく、全世界の人々にとっても貴重な文化遺産です。早期の復旧に向けて、協力していきたいものです。

スポンサードリンク