カレーライスは、皆に愛されている国民食の一つだなあ、と感じています。レトルトカレーの種類の豊富さや、定食屋での根強い人気を体感、多くの文豪もなじみの店でカレーライスを味わったことを知ったからです。いろいろな味に挑戦したくなります。
JR川崎駅西口にある高級食料品店「北野のエース」を訪れると、棚一面に並べられたレトルトカレーが目に入ってきました。全国各地のレトルトカレーで、圧巻です。値段は300円から1000円くらいで、ちょっと高いですが、いずれも特徴があり、美味しそうなものばかりです。
「よこすか海軍カレー」、「函館カレー」、「くまもとトマトカレー」の3つを早速、購入しました。カレーはイギリス海軍の軍隊食で、日本海軍もこれを軍隊食に取り入れたそうですが、「よこすか海軍カレー」は、明治41年当時の日本海軍のレシピをもとに、食べやすく復元したものです。
「函館カレー」は、明治12年創業以来、フランス料理や洋食を手掛けてきた地元の名店「五島軒」の味が詰められています。「くまもとトマトカレー」は、国産の牛骨と鶏骨でとったスープに地元のトマト、カレールーを混ぜて煮込んだものです。
レトルトカレーは、いわば、カレーの「最前線」とも言え、カレーライスが人気の広まりを背景に発展していることがわかります。
川崎駅東口にある定食屋に行った時は、「カレーの具」(300円)が販売されていました。定食や丼ものにちょっと一品、付け合わせるほか、カレーの具で、一杯飲むというスタイルなのだそうです。私もビールを頼み、カレーの具を食べてみましたが、絶妙な取り合わせの美味しさに、驚きました。カレーもつまみになるんだ、と。
多くの文豪がカレーライスを愛して食べたことは、その作品を読めばわかります。子母沢寛は東京・新宿の中村屋で、インドのカリーを食べました。池波正太郎は、東京・日本橋の「たいめいけん」のカレーライスがお気に入りでした。大仏次郎は、横浜の梅香亭によく足を運びました。また、評論家の亀井勝一郎は、先のレトルトカレーで紹介した「五島軒」に通いました。
カレーライスは、インドが発祥の地で、日本には明治時代、イギリスを経由して伝えられました。インド駐在時代、私もよく、カレーライスを食べました。骨付きチキンを入れたカレーを、プーンといい香りのするバスマティライス、あるいはナンとともに、食べたものです。とても美味しかったですが、香辛料の関係からか、味が強く、毎日は食べることが出来ませんでした。時に、日本のカレーライスが恋しくなり、日本のカレーライスを作って食べました。
インド大陸の南部ではスープ状のカレーが多く、北部へ行くほど、濃縮度が増し、インドでも地域で、カレーが異なることを知りました。
日本では、カツカレー、カレーパン、カレーうどん、牛丼との合いがけ、などカレーのバリエーションは数多くあります。カレーの奥深さをこれからも楽しめそうです。
写真は、定食屋のカレーライスの具