動画配信開始から1か月が経過したインターネットテレビ「AbemaTV(アベマティーヴィー)」が好調です。パソコンとスマートフォンで視聴できますが、これまでに、スマホ専用アプリのダウンロード数が200万件を突破、人気は高まる一方です。テレビ番組はテレビ受像機で視聴する、という従来のスタイルは、スマホでも視聴する人々が増える、という新たな形態に移り変わっていきそうです。時代の変化を予兆させます。
AbemaTVは、テレビ朝日とサイバーエージェントが共同出資する会社が運営しています。ニュース、スポーツ、バラエティ、アニメなど24チャンネルがあり、動画を無料で配信しています。注目会見の生中継や、ニュースの主役の直撃など、既存の動画配信サービスに比べると、速報性を重視しているのも特徴です。この1か月間の視聴傾向を分析すると、ニュースに加え、4チャンネルで配信しているアニメに人気があるといいます。
テレビ朝日とサイバーエージェントは、AbemaTVを「新しい時代のテレビ」にするよう目指しています。テレビ受像機だけではなく、スマホでテレビ番組を視聴する人々が大幅に増えることを想定しています。テレビ受像機一辺倒からの変化です。新聞についてもすでに、通勤電車の中で読む人々は激減し、スマホで読むようになっています。自宅でも、紙の新聞ではなく、スマホやパソコンで新聞を読む人々が増えてきています。
一方、見逃したテレビ番組を1週間インターネットで視聴できる「TVer(ティーバー)」は2015年10月末から、民放キー局5局で運営されていますが、こちらもAbemaTVと同様、スマホ対応にも重点を置いたサービスになっています。
インターネットは私たちの生活を大きく変えましたが、そのインターネットに基づく新しいテレビ動画配信サービスもまた、新たに変わろうとしています。街中で、スマホでテレビを視聴する人々が増える。そんな光景もまじかに迫っていると言えそうです。