ウォーキングのやりかた 定期券を購入して、毎朝、皇居周辺を散歩 外山滋比古さん 

 「50代から始める知的生活術」(外山滋比古著、だいわ文庫)によると、英文学者・評論家の外山さんは定期券を利用して、毎朝、皇居周辺を散歩しているそうです。定期券を購入することで、散歩を習慣化するのが狙いと言います。老後を豊かなものにするため、老後の少し前から、自分の足で歩くことにしたのだそうです。

 ウォーキングのひとつのやりかたとして、面白いものです。

 この本によると、外山さんは、毎朝、自宅近くの東京メトロ・丸の内線の茗荷谷駅から、午前5時46分の電車に乗るそうです。大手町駅で半蔵門線に乗り換え、九段下駅で下車します。北の丸公園に向かい、いつもの仲間とラジオ体操をします。その後は、皇居を一周する道路を歩き、大手町駅に戻ります。1時間半ほどの散歩だといいます。

 「第一幕の人生とは趣を変えて、むしろ第一幕をしのぐほどの楽しさと充実感に満ちた生活を迎える。それが、人生の二毛作です。自らの力で、大地にしっかり足をつけて歩く。力強さを足裏に感じながら進む。それが、後半の人生です」

 「老後を輝かしきものにするために考えたのは、老後を意識する少し前から、まず自分の足で歩くことでした。二毛作の人生は、そこから始まります」

 外山さんはこう、老後という、二毛作の人生の意義を書いています。

 歩くことの大切さがわかります。

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 二毛作の人生を目指して歩くというのはとても面白いですが、外山さんのほかの本「知的創造のヒント」を読んでいたら、もう一点、興味深い指摘がありました。

 「散歩が着想を得るのにきわめて適しているとする人はたいへん多い。モーツァルトは『馬車に乗っているとき、たっぷり食事をした後の散歩、眠られぬ夜などには、いくらでも考えが湧いてくる』と誇った」

 「蒸気機関改良のジェームズ・ワットはゴルフのクラブハウスまで歩いていく途中でアイディアをつかんだし、ドイツの科学者ヘルホルツは『すばらしい考えは、晴れた日にゆるやかな山の斜面を登っていくとき、ことによく生まれる』という観察を記している」

 「発見や創造に心を砕いた人たちは申し合わせたように、アイディアが浮かんだらすぐ記録できるように小さな紙片を持ち歩いている」

 外山さんは、こんな風に書いています。歩いて、いいアイディアを得る。ウォーキングがますます魅力的なものになります。

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