読書感想文の書き方 小学生低学年の場合 親の役割は?

 読書感想文をどう、うまく書くか、小学生にとっては難しい問題ですが、ポイントをつかんで、スラスラと、読書感想文を書きたいものです。文章を書くことに慣れていない、特に低学年の小学生にとって、「何を書いていいかわからない」状態でしょうから、両親が子供たちに、本の選び方、読み方、そして、読書感想文の書き方を教えていくことが大切です。

 あくまでも、書くのは子供です。両親が子供に代わって書くのではありません。

「こんなふうに考えてみたら」「こんな形で書いてみたら」と両親が子供をリードしてあげることでしょう。読書感想文の構成を引き出してあげればいいと思います。子供には、貴重な体験になります(トップのイラストは、いらすとやのものです)。

 ◇読書感想文の構成

  1、どうして、この本を選んだのか
 2、面白かったのは何か
 3、これから生活、勉強していくうえで、この本を読んで得たことをどう生かしていきたいか

 この3点が入っていれば、読書感想文として合格でしょう。両親が、これら3点について、子供さんに質問してあげればいいと思います。まず、1に関しては、どんな点に興味を持ったのかを具体的に聞いてあげることです。

 表紙がきれいだった、挿絵がよかった、主人公がすばらしいと思った、お母さんがすすめたから、など何でもいでしょう。子供の声に率直に耳を傾けることです。

 2については、3点くらいを挙げるのがいいと思います。3点あれば、それぞれについて、書いていくだけで、その本をどう読んだのかわかります。特に、本の中で面白かった部分は長くならないように、引用してもいいでしょう(小学生にとっては、やや高度化もしれませんが)。

 お父さん、お母さんが言っていたこと、子供がこれまで経験したことと合わせて書いていくと、説得力が増します。

 3については、総まとめにあたります。本から何を得たか、学んだか、それらを考えることは今後の子供の人生を豊かにしてくれます。

 これら3つの過程は、本の読み方の基本とも言えます。子供は、これらを順番に書いていけばいいでしょう。表現が多少、つたなくても問題ありません。子供の気持ちが率直に、子供の文章に現れていれば、大丈夫です。

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 ◇本の選び方

 ただ、これらの3つの質問に子供が応えるには、本の選び方と読み方が重要になってきます。あまり分量がなく、内容が濃いものを両親が手伝って選んであげることでしょう。

 ◇偉人の伝記がお勧め

 課題図書もいいと思いますが、低学年の小学生向けに書かれた偉人の伝記がおすすめです。

偉人がどうして成功したか、が本の中に書かれているからです。偉人には魅力的な人々が多くいます。3つの質問に答えやすい構成になっています。今後の人生に向けて学んだこと、という3の質問質にも答えやすくなります。

 ◇本を3回繰り返し読む

 本の読み方にも十分、配慮したいものです。読みが浅ければ、3つの質問に対する答えはなかなか出てきません。そこで、本を2回でも3回でも読むようにします。

 低学年の小学生にとっては、1週間後に目を向けるのは難しいですから、両親が随時、本を出して、時には一緒に読んであげるといいでしょう。この点でも内容は濃いが、ページ数の少ない本がベストです。

 「え!、時間がかかってしまう」と思われる方もいるかもしれませんが、3つの質問に答えるのは、この繰り返し読みが早道で、ポイントをついた答えを引き出すことができます。読めば読むだけ、理解は深まります。

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 ◇面白い、重要という部分に、チェックを入れる

 1回目は、どんな内容が書かれているかに重点を置いて読みます。2回目は、面白い、重要、感動したといった部分に、チェックを入れたり、ふせんを貼り付けます。その時に感じたことがあったら、ふせんを貼り、感じたことがあったら、その近くに、メモを書いておきます。

 そして、3回目は、このふせんとメモの部分を中心に読んでいきます。面白い、重要と最初は思ったものの、そうでもないと思ったら、ふせんをはずします。逆に、「こんな面白い箇所があった」という場合は、新たに、ふせんを貼ります。

 そして、最後、もう一度、ふせんの部分を中心に本全体を読みます。小学生向けなので、まえがき、あとがきはあまりないと思いますが、もし、ある場合は、まえがきなども読むと、理解が一層、進みます。

 ◇深読みの効果

 ここまですると、本が自分のものになった、という実感がわくと思います。子供にとっては、この深読みが役立ちます。すでに、1の「どうして、この本を選んだのか」という点はわかっていますので、この本を選んだ理由に続く2の「面白かったのは何か」について、ふせんを貼った中から、面白かったこと、感動したこと、印象に残ったことを3つほど選び出します。

 一つ一つについて、どんな点が面白かったのか、どんな風に感動したのか、印象に残ったのはなぜかを考えていきます。このプロセスが、原稿の核の部分になります。

 こうしたことをすることで、3の「これから生活、勉強していくうえで、この本を読んで得たことをどう生かしていきたいか」についても、何を書いたらいいかが明確になってきます。明確にならなかったら、それは、まだ十分に読み込んでいないということになります。

 子供一人では簡単ではありませんから、両親が子供に問いかけながら、2や3を引き出してあげればいいと思います。本を通して親子の会話が深まり、充実した時間にもなります。

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 ◇本の読み方も教える

 これだけすると、子供の本を読むスピードも上がるでしょう。本の読み方を子供に教えることができると思います。読書感想文を書くことが第一の目的ですが、この読書感想文を通じて、ぜひとも、子供たちに、本の大切さ、本の読み方を教えてあげてほしいと思います。今後の人生にとって、大いに役立つはずです。

 ◇まとめ

 読書感想文と言いますと、小学生の、中学生の、高校生の、というものが想像されますが、ポイントをつかんでいなと、決して、簡単には書けません。大人が本を1冊読んで、その書評を書くのとまったく変わりません。なかなかできるものではありません。

 今回は、低学年の小学生を想定して、読書感想文を書き方を書きましたが、これは、大人向けの作文、論文の書き方とも共通します。

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