「柿が赤くなれば、医者が青くなる」 柿の栄養素と効果、効能は? 

 「柿が赤くなれば、医者が青くなる」--。秋になると毎年、こんな言葉で、柿が語られることが多くあります。柿の栄養素にはどんなものがあり、その効果、効能はどうなっているのでしょうか。

 柿パワーで健康アップしましょう。

 ◇生活習慣病予防
 
 食生活の乱れや運動不足など生活習慣が原因となって発症する生活習慣病には、高血圧や糖尿病、脂質異常症などがありますが、柿には、これらの生活習慣病を予防してくれる栄養素が多く含まれています。

 ポリフェノールの一種であるタンニンは、抗酸化作用があり、血液をきれいにし、その流れを良くします。血圧を下げる作用もあります。

 カリウムは、高血圧の敵である塩分(ナトリウム)を汗や尿とともに、体外に出してくれます。タンニンとカリウムの相乗効果で高血圧になるのを防いでくれます。

 ペクチンという水溶性の食物繊維は、血液の中の悪玉コレストロールを減少させます。血液をきれいにするタンニンとともに、血糖値の急激な上昇を抑制してくれます。脂質異常症にも効果があります。

 ◇動脈硬化予防

 悪玉コレストロールを減少するペクチンが動脈硬化も防ぎます。また、柿はポリフェノールの一種のフラボノイドや、β-カロテンを含んでおり、抗酸化作用を持ち、動脈硬化に効果があります。

 さらに、パンテノン酸も、血中の善玉コレステロールを合成するとともに、抗酸化作用のあるビタミンC、Eを豊富に含んでおり、動脈硬化を抑制します。血液をサラサラにしてくれるタンニンの効果も大きなものがあります。

 ◇ガン予防

 豊富なビタミンC、Eは抗酸化作用があるという点で、動脈硬化と同様に、免疫力を高めることになり、ガンにかかりにくい体質にしてくれます。β-カロテンにも抗酸化作用があり、有害な活性酸素を抑えてくれます。

 ビタミンC、Eと一緒になることで、ウィルスや細菌に対する免疫を高めることもでき、風邪にもかかりにくくなります。

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 ◇貧血予防

 柿は、赤血球を作り出す栄養素の葉酸を豊富に含んでおり、この葉酸が貧血を予防します。また、赤血球を構成する鉄も含んでおり、こちらも貧血予防に役立ちます。

 ◇二日酔い予防

 二日酔いは、アルコールが分解される時にできる毒素・アルデアルデヒトが血液にまじって、全身に運ばれるのが原因です。なんとも言えない、あの気持ち悪さは、このアセトアルデヒトの仕業です。この二日酔いに効果があるのは、タンニン、カリウム、ビタミンCです。

 タンニンはアルコールを分解してくれます。カリウムは利尿作用があるため、塩分と同様、このアセトアルデヒドも尿とともに、体外に出してくれます。二日酔いにならない、なったとしても、早期回復に大いに活躍してくれます。

 「柿には酒の熱毒を解く」と医学書「医心方」に書かれているほどです。古くから、二日酔い予防に効果があったことがわかります。

 NHKの番組「あさイチ」では以前、飲酒30分前に柿を食べたとき、飲酒30分後に柿を食べたとき、飲酒しながら柿を食べたとき、の3つを試験していましたが、飲酒をしながら柿を食べてときが最もアルコール濃度が減ったという結果を伝えていました。

 ◇疲労回復

 柿1個で、一日のビタミン摂取量をカバーできると言われます。ビタミンは免疫力アップに役立ちますが、同時に、疲労を早期に取り、体力を回復させてくれます。

 ◇整腸作用

 食物繊維のペクチンは、動脈硬化防止に役立ちますが、同時に、整腸作用があります。下痢や便秘にならない健康な腸を保ってくれます。

 ◇花粉症予防

 柿の実ではありませんが、柿の葉に「アストラガリン」と呼ばれる成分が含まれています。ポリフェノールの一種で、アレルギーを防ぐ作用があり、花粉症にも効果があると言われています。お茶や料理で、柿の葉をうまく使用したいものです。

 ◇まとめ

 どうでしょう。これまで見たように、柿は多くの栄養素を含み、さまざまな効果、効能があることがわかります。

 柿は、カキノキ科カキノキ属の落葉樹になる果物です。原産地は中国という説が有力です。品種の数は1000以上に及びます。鮮度が落ちると、栄養素も減りますから、新鮮な柿を購入したいものです。実はやや硬め、下手は緑色のものを選んで購入するといいでしょう。

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