気象庁が2020年末で、花の開花日や、動物などがその年初めて見られた時などを観測してきた「生物季節観測」のうちの多くを廃止しました。生物季節観測の多くが廃止となった理由は何でしょうか。ウグイスの初鳴きなど廃止された観測も含めて、生物季節観測についてまとめました。
気象庁の生物季節観測の多くが廃止になった理由
気象庁の生物季節観測の多くが廃止になった理由は、
・都市化の影響で対象の動植物の確認が難しくなったため
・初鳴きの時期など動物の動きが、季節の変化とずれてきたため
とされています。
災害が多くなる中で、人員が足りなくなったためではないかとする見方もありましたが、気象庁はこの見方を否定しています。
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ウグイスの初鳴きなどが廃止に
では、生物季節観測はこれまで、どのくらい行われ、そのうち、どのくらいが廃止されたのでしょうか。
生物季節観測はこれまで、どのくらい行われていたか
植物
植物では、34種目41現象です。
あじさい開花 あんずの開花 あんず満開 いちょう発芽 いちょう黄葉 いちょう落葉
うめ開花 かえで紅葉 かえで落葉 かき開花 からまつ発芽 ききょう開花
くり開花 くわ発芽 くわ落葉 さくら開花 さくら満開 さざんか開花
さるすべり開花 しだれやなぎ発芽 しば発芽 しろつめくさ開花 すいせん開花 すすき開花
すみれ開花 たんぽぽ開花 チューリップ開花 つばき開花 でいご開花 てっぽうゆり開花
なし開花 のだふじ開花 ひがんざくら開花 ひがんざくら満開 ひがんばな開花 もも開花
やまつつじ開花 やまはぎ開花 やまぶき開花 ライラック開花 りんご開花
動物
動物では、23種目24現象です。
あきあかね初見 あぶらぜみ初鳴 うぐいす初鳴 えんまこおろぎ初鳴 かっこう初鳴 きあげは初見
くさぜみ初鳴 くまぜみ初鳴 さしば南下初見 しおからとんぼ初見 つくつくほうし初鳴
つばめ初見 とかげ初見 とのさまがえる初見 にいにいぜみ初鳴 にほんあまがえる初鳴
にほんあまがえる初見 はるぜみ初鳴 ひぐらし初鳴 ひばり初鳴 ほたる初見
みんみんぜみ初鳴 もず初鳴 もんしろちょう初見
今後も継続して、生物季節観測が行われるのは
今後も継続して、生物季節観測が行われるのは、植物の6種目9現象です。動物については、すべて廃止され、生物季節観測は行われません。植物で生物季節観測が行われるのは、以下の通りです。
あじさい開花
いちょう黄葉
いちょう落葉
うめ開花
かえで紅葉
かえで落葉
さくら開花
さくら満開
すすき開花
随分、少なくなってしまいます。
気象庁の生物季節観測は、1953年から行われてきました。動植物を対象とした観測はあまり、例がなく、研究機関などから、復活求める声も出ています。
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まとめ
「先日、青森の父から、今年はカマキリが高い所に卵を産んだから、雪が多くなりそうだと話題になっていると聞きました。科学的根拠はありませんが、身近な自然現象から自分なりの法則を見つけられたら、季節の移ろいにより敏感になるかもしれません」
気象予報士の奈良岡希実子さんは、読売新聞(2020年12月13日朝刊)に、こう書いています。
外に出て、季節の変化を動植物の動きで肌で感じてみる。気象庁の生物季節観測はその観測現象が減りますが、季節の変化に敏感になりたいものです。
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